ダイアー教授

FALL/フォールのダイアー教授のレビュー・感想・評価

FALL/フォール(2022年製作の映画)
3.6
題:良作
登場人物は2人のおねーちゃん…
そこそこ可愛い金髪とあんま可愛くない黒髪。
舞台は荒野にそびえる600メートルのタワー。
陽キャの金が病んだ黒を誘ってタワーに登ることになります。

露骨なまでにファルス的象徴を舞台に女2人がてんやわんやの大騒ぎ。
まぁ、こういう事が起きるんだろうなってことが案の定起きて、また起きて…が繰り返されます。
正直、眠くなりました。
しかし終盤の“ある展開”で一気に目が覚めました!
そういう事だったのか!
あれも、これも全て、この伏線だったのか!
地面に叩きつけられた感じです。

オモシロかったです。ポイントをネタバレなきよう2点にまとめました。

1.巧い作り
高所というソリッドシチュエーション、登場人物がトラウマを克服する人間ドラマ、限られた資源を活用するというサバイバル的要素が、非常にいい塩梅で配分されています。
話の作り方が巧いと思いました!

これをたったの4億円(製作費300万ドル)ちょっとで撮った作り手たちの技量に感服しました。

2.テレビネタ
舞台はテレビ塔なのでテレビに関するネタが出てきます。
WWEのネタはファンとしては嬉しかったです。

金髪が自撮り棒でバッグを引っかけた時に黒髪のブスが
“some good Macgyver shit right there”
って台詞があります。
字幕も吹き替えも“自撮り棒の新たな使い方ね”との役です。

翻訳した人は“Macgyver”が何か知らない世代なのかなって思いました。
Macgyverは『冒険野郎マクガイバー』のことです。
登場人物2人はおそらく再放送か最近のリメイク版をテレビで視ているから知っているのでしょう。
ここは訳に含めて欲しかったな、と思います。

字幕をつける会社の人も単に英語ができるだけじゃなくて、
映画とか海外ドラマが好きな人がいいですよね。