かじドゥンドゥン

FALL/フォールのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

FALL/フォール(2022年製作の映画)
3.0
無謀なロッククライミングの途中で、夫ダンが断崖から落下して死亡。それ以来、悲嘆に暮れ、アルコールに逃げるベッキー。そんな彼女を勇気づけようと、先のロッククライミングにも同行していた親友ハンターが、ベッキーを連れ出し、動画を撮影しながら、地上600mの電波塔登頂を目指す。

ところが、登り切ったところで、錆びた梯子が崩れ落ち、降りる手段がなくなる。食料はなし。スマホも圏外。本来この地帯は立ち入り禁止の荒野。ただでさえ絶望的なこの状況でさらに、実はハンターが4ヶ月ほどダンと付き合っていたという三角関係が判明。気まずい関係の二人が協力し合わなければならないという極限状態が生じる。

てっぺんの少し下にひっかかったリュックを取り戻すべく、チャレンジしたハンターは死亡。しかしベッキーは、彼女が生還した幻想を見続け、存在しないハンターと対話しながら案を練りだして生き抜く。途中で、現実(ハンターの死)を悟ると、ダンとの別れも含めて、悲しみと折り合う強さを身に付けて、たくましく生きようとする。

結局、スマホで救助を求めるメールを作って送信トレイに置いておき、スマホを地上に落下させれば、きっと電波圏内に落ちて、メールが送信されるというアイデアが功を奏する。そこに意外性がなく、残念ではあったが、高所でのホラーには迫力があった。