ハヤシ

Mother and Daughter(英題)のハヤシのレビュー・感想・評価

Mother and Daughter(英題)(2022年製作の映画)
-
『賢い医師生活』のホ・ソンビン役であり『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のチェ・スヨン役のハ・ユンギョンさんが主人公のヨンスを演じる。復縁を望む元恋人の要求を拒否したら、その腹いせに知り合いとネット上に動画をばら撒かれて…というストーリー。

最初っから最後までしんどいな…という感じだった。最後主人公であるヨンスは前を向くようになっていくんだけど、それにしたってあまりにも失うものが多すぎる。女性同士の連帯も重要なテーマとして描かれているけれど、過干渉な母親を騙し騙し生活している「ギョンアの娘(原題)」から逃れられないヨンスの姿とか、息子の立場を守ることしか考えていない元恋人の母親の姿とか、個人的にはそちらの方が強く印象に残ってしまった。

デジタルタトゥーの時代に一度そういうことが起こってしまうと、結局すべてが丸く収まるなんてことはあり得なくて、被害者がどこかで気持ちに折り合いをつける以外に方法はない。なんだかなあ。やるせない気持ちは消せない。

撮らせちゃいけないというのはもっともなんだけど、どうも議論のすり替えみたいな気がしてしまう。どうしてこういうときに被害者側に立たされるのは女性ばかりなんだろう。どうして同じことをしていても、女性と男性では捉えられ方が違うんだろう(この映画ではその問題の映像に映っていたのはヨンスだけだった気もするけれど)。どうして女の性欲には空虚で乱暴な価値が外から勝手にくっつけられているんだろう。
ハヤシ

ハヤシ