MOBSPROOF松原弘一良

スティーヴ・ベイター ロックにすべてを捧げた男 その短すぎる生涯のMOBSPROOF松原弘一良のレビュー・感想・評価

4.5
天真爛漫(?)で自由すぎるスティーヴの才気溢れる人生を、多くの周辺関係者の証言で迫った本作。DEAD BOYS以前のバンド、マザー・グースやザ・ロッキントマト、フランケンシュタインのライブ映像や写真もかなりキテいて非常に興味深い。
あらゆるシーンに乗り込んでいくスティーヴがDEAD BOYSを結成し、ギャング並の危うさを発揮してニューヨークパンクシーンでパンクバンドとしての確固たる地位を確立。そして、パンクに見切りをつけて、ソロ作では60年代の音楽に立ち返る。さらに、THE WANDERERSを経て、THE DAMNEDのブライアン・ジェイムスと結成した新しい宗教・THE LORDS OF THE NEW CHURCHの紆余曲折。ディー・ディー・ラモーン、ジョニー・サンダース、ニールXなどが参加し、レコーディングが進められていたソロについてなど、次々と証言が積み重なって物語は進行していく。
1990年にパリで交通事故により死亡し、仲間たちに見守られスニッフされた葬儀など、数々のイイ思い出話が多数語られるラストシーンまで、ファンには興味深い一本になっている。