せっ

イコライザー THE FINALのせっのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.3
Criminal Lives Matter(笑)

ある仕事を終えた後、銃弾を負ったマッコールがシチリアで療養をすることになり、街の人との絆を育んでいったが、いつもの如く街の悪人が街の人を苦しめるから、退治する話。

今回は今までで1番ヴィランみが強い。冒頭、のどかな農園に孫とじいちゃん(もちろん犯罪者だが)が平和にドライブしてたら留守中に不審者が侵入し、全員皆殺しにしているという。『イコライザー』を今作から見たら絶対ラスボスだと思う怖さ。

他にも、確かにいつもの如く悪人は街の人に危害は加えてるのだけど、この映画の中では大勢が人を殺してはない悪人。それにマッコールにとっちゃもう蟻のようなレベルなのよ。そんな奴らを血も涙もないスピードと残虐性を持って表情ひとつ変えず始末していくのは、異常性を感じざるを得ない。

なんか、今回のラスボスと街の人々が見守る中退治するあのシュチュエーション(無抵抗状態のマッコールとそれに銃を向ける敵とスマホを向ける一般の人という構図)が何となく警官による黒人殺害事件を連想させて、私は「マッコールよ、犯罪者の命も大切だよ。。」と思わざるを得なかった(笑)

でも、今回街の人全員がマッコールの素性を知り、それに全員が加担するという新しい展開だったのは、一緒にそういう罪を背負うように見えて良かった。

あと、今回全体的に画面が絵画っぽくて、さらにいつもの如く暗いトーンなので、めっちゃゴヤの黒い絵シリーズみたいで好き。そして尺の長さも現代では長くなる一方に比べて過去作で1番短く、かつ、1番面白くて素晴らしい。
せっ

せっ