真っ黒こげ太郎

イコライザー THE FINALの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.2
※このレビュワーのアクション映画の価値観は、かな~り歪んでます。w
真面目に文学や芸術作品として映画を見てる人はこのレビューを真に受けないでね。



最強の最速の最終章。

最後は”9秒”で終わらせる── 。


9秒どころかラストバトルすらないんですがそれは…。




イタリア、シチリア島のワイン製造工場に現れた男、ロバート・マッコール。
もうわざわざ説明するまでもない(爆)が、彼は世に蔓延る悪を密かに裁く、元海兵隊員のCIAの特殊工作員、通称「イコライザー」なのだ!!!

今日も今日とて、ワイン造りに見せかけて大量の麻薬を密輸していた悪のマフィアを何時もの戦闘力で速攻で全滅させるマッコール。
しかし、マフィアの子供に情けをかけた結果、油断した所を子供に撃たれて重傷を負ってしまう!!!

田舎道で気を失ったマッコールだが、イタリアの国家憲兵であるカラビニエリに運ばれ、そこの腕っこき医師のエンゾ・アリシオの治療により一命を取り留める。
見ず知らずの自分を温かく迎え入れてくれたカラビニエリの町に安らぎを覚えたマッコールは「イコライザー」として活動する時の腕時計を外し、町で平穏な余生を送ろうと決意する。

だがしかし、その平和な街をクアランタ兄弟率いるイタリアンマフィアが狙っていたのだ!!!
彼らはリゾート開発の為に町を荒らしまくり、麻薬や資金をテロリストに流していたのだ。
マッコールは「イコライザー」として町の平和を守る為、イタリアン・マフィアに最後の戦いを挑む!!!



元CIAの特殊工作員が自身の戦闘スキルを解き放ち、平和な街を脅かす巨悪を成敗する、”秒殺”ハードボイルドアクション第三弾。
テレビドラマシリーズ「ザ・シークレット・ハンター」の劇場版である「イコライザー」シリーズ(多分)最終章。
例によって今回も監督のアントワーン・フークア氏と主演のデンゼル・ワシントン氏が続投しております。

という事で、ハードボイルドと秒殺無双っぷりでお送りしてきた「イコライザー」シリーズも完結を迎える。
最後も劇場で見届けるしかない!という事で、劇場公開終了間際ながら劇場へ行ってきました。


今回も内容もシンプル&王道…ってか何時も通り。
「平和な街の人々を脅かす悪人共に「法に代わっておしおきよ♡」としゃれ込む」という、やっぱり黄金なパターン。
強いて言うなら今回はイタリアの町が舞台になってる事と、主人公が最初から麻薬密輸組織を倒す為にやって来てたという所ですかね。


今回は平和でお洒落で、まんがタイムきららの日常漫画張りに(おいおい)ほのぼのな町でマッコールさんが交流。
助けた医者のおじいさんを始め、住民の皆が訳アリだと察したマッコールさんを介抱してくれる。
(医者のおじいさんは元軍人らしく、後半に漢気を見せる場面があるのも好感触。)
事件の捜査に来たCIAの捜査官とかも出てきますが、恐らくシリーズ史上最もハートフルな優しい世界でマッコールさんが引退して骨を埋めようと決意するのも納得の舞台だ。

しかしまぁ、そんな平和な街でさえも脅かしまくる極悪マフィアが居るワケですよ。
という事でマッコールさんがマフィア達と対峙してゆく展開…なのだが今回は過去最高に”溜め”が長い!!!
もう待ちガイルも真っ青なレベルで”溜め”まくっている。wwww

今作の悪人は一作目に並ぶレベルで極悪で、いう事を聞かない町の人暴力を振るうわ、店を燃やすわ、殺して見せしめにするわでド外道。
完全に世紀末世界の悪党レベル。
マッコールさんも一度は引退しようと思っているので、中々手を出すのが遅く、相手がかなりの悪事を積み重ねた中盤でようやく牙を出す。

牙を出してからは一気にマッコールさんは暴力装置化。
マフィアの弟を容赦なく抹殺するわ、マフィアの本拠地に殴りこんで速攻で壊滅させるわで、前半で溜まっていたフラストレーションも一気に晴れる。

マッコールさんの無敵っぷりも既に極まっていて、冒頭から既に相手側の死屍累々に始まり、その後すぐに9秒で相手を瞬殺するワンマンっぷりを発揮!!!
最後のマフィアのアジトの件はもはやホラー映画の殺人鬼の域に達しており、ステルスキルの連続でマフィアを殲滅し、大ボスは相手に死の恐怖を与えまくった上で抹殺。
完全に世紀末世界の暗殺拳伝承者の制裁レベルだ。w

そんなこんなで今回も鬼のような強さのマッコールさんを堪能できる。
悪人の外道っぷりをタップリ見せた上でキチンと「成敗!」の爽快感を描いており、良いストレス発散になるだろう。


ただその反面、今回は敵側が余りにも瞬殺すぎる為にアクション映画として見ると難があるんですよね。
というのも、一作目では「ホームセンターでのDIYトラップで敵を倒してゆく」で、二作目では「嵐の中で敵を一体ずつ屠りラスボスをボコして成敗!」と今まではクライマックスでアクションの見せ場があったのですが、今回はマッコールさんが最初から最後まで瞬殺しすぎて、アクションの見せ場がかなり減っちゃってるんです。

まぁ、元からアクション自体はそこまで多くないし、アクションで押してゆく内容でもないんですけど、まさか元々そこまで多くなかったアクションをさらに削ってくるのは意外でしたね。
まぁマッコールさんの「一撃必殺」っぷりは嫌という程堪能できるけど、流石に今回は減らし過ぎじゃないかな…。

「このアクションの少なさが良い」という人も居るかもしれませんが、それでもやっぱ「銃撃!爆破!カーチェイス!格闘!兵器!」な思考の単純おバカな自分は”アクション映画”を見る以上は”アクション”の見せ場で楽しみたいと言うか。
まぁ、過去2作の塩梅ならまだいいかなとは思えるけど、流石にここまで減らされると物足りなさを感じてしまわざるを得ないです…。


一応フォローしておくと、今回の一撃必殺の暗殺っぷりやクライマックスの抹殺っぷりは楽しめたし、勧善懲悪の内容も徹頭徹尾守られてたので、映画館で見て良かったとは思いました。
これでクライマックスにせめて前2作レベルのアクションの見せ場があればな~と思ったので少し勿体なかったですね。



何だかんだで文句が多くなってしまいましたが、今回はマッコールさんの渋カッコ良さは堪能できたし、一撃必殺の勧善懲悪っぷりを思う存分楽しめました。
マッコールさんの最後の雄姿になるかどうかは分かりませんが、シリーズを追いかけた人は是非最後の雄姿を見届けてあげて下さい。

…と言いつつアッサリ続編が公開されFINALを無かったことにして「イコライザー4」だの「新・イコライザー」といった邦題で続編が公開されても驚きませんが。w


因みに、ネット上の評価で
「JWの最新作はやりすぎたので小限の戦闘で敵を倒すシンプルさが良い」
「JWには「この位の舐めてた相手が殺人マシーンだった」が欲しかった」
「トムさんやキアヌさんにアクションをさせ続けるのもどうかと思うので、演技とアクションで見せるこれ位のアクションの方が良い」
と言ってる人も居たので、そういうシンプルな作品を求めている人にも刺さるかもしれないのでそういう人はどうぞ。

で、一応書いておくと、すんません、
俺は「ジョン・ウィック:コンセクエンス」や「デッドレコニング PART ONE」の方が好きっス。w
アクション映画好きとしては大音響の銃撃戦、火薬爆破、クラッシュしまくりカーチェイス、キレッキレな格闘アクション、コマンド部隊の単純明快ドンパチ物の方が好きなんですけど、駄目すか?