ジョンウィックで満たされなかった成分を全部満たしてくれた。ジャンル映画はこうでなくっちゃというカタルシス演出。勧善懲悪マッコールさんのイタリア慰安旅行編。過去作ほどの大暴れ感はないだけにホラーテイストという新鮮さが加わってほぼサイコホラーだった。
人情劇がこのシリーズの魅力だと捉えたときに今作は非常に丁寧に作り上げられた信頼感と、我々とマッコールの中にある信頼感とが組み合わさっていて説明不要で大暴れできる環境が開始1秒からスタートできるというのがシリーズ映画の利点。それを非常に上手く使っていた冒頭シーンだったかなと思う。
以降はほぼ大オチが推測できる状態の中での高みの見物を行うマッコールさんと美しいシチリア島を舞台とした人情味あふれる関係性の構築。スローながらもところどころに起伏と、絶対に痛い目を見る存在達との絡みがあり、笑わせたりドキッとしたりのバランスが非常に良かった。
舐めてたやつが最強というより最強とわかってるやつがどこかで出てくる。という視点で観ている観客側としてはマッコール登場シーンがほぼほぼホラーにしか見えなくて、撮り方も非常にホラー的なカメラワークが散見されていた。普通に気づいたら後ろに居たりするのが怖すぎる。もはやノーロジックで後ろにいてもOKなので超人の域だわ。
流石に派手なアクションばかりというわけにもいかないし、原点回帰してホームセンターというわけにも行かない中での舞台を変えるというチョイスは素晴らしかった。マイ・ボディガード以来のダコダファニングとの共演も素晴らしかった。
オマージュもいくつかあったと思う。過去作のオマージュとあの作品のオマージュぽい銃乱射があった気がする。最後もイタリアのあの映画のオマージュだったかな。
ワイスピのように、2年に1回ぐらい続編やって欲しい。
キャスト★4.2
ストーリー★3.8
プロット★3.9
バイブス★4.0
演出★3.8
映像★4.2
音楽★4.2
全体★4.2
