🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-717 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋90年近く前の作品とは思えない、明るくてコミカルな世界観！！チャンバラシーンは1回だけ、全編コミカルなパロディ人情時代劇、今観てもめちゃくちゃ面白い作品です！！

🖋林不忘作の『丹下左前』、伊藤大輔・マキノ雅弘などの名監督で、何度も映画化されています。同じ大河内傳次郎が主演している『丹下左前』シリーズの中で、若くして亡くなった天才監督山中貞雄が監督した本作、それまでのチャンバラ映画から左前を中心にしたコミカルな人情喜劇に見事に変貌を遂げました。百万両の在処が記されたとされる壺をめぐって、藩主の弟の道場主、父親を殺された少年、少年を引き取る矢場の女将など様々な人間ドラマが展開されます。

🖋とにかく笑いとテンポは天才山中貞雄監督ならでは。特に女将と左前のやりとりが最高！！女将さんが「送ってやってね」というと左前が「ヤダイ！」「送ってね？」「ヤダイ！」何度か問答してブラックアウト、そしてその後はきっちりと送って行っている。。。こんなやりとりが作中で数回、もう展開が分かってるのに思わず笑いが漏れてしまいます。そして、1回きりの少年の敵討ちのチャンバラシーンも秀逸。

🖋本作、山中貞雄監督が、アメリカ映画『歓呼の涯』（1932年）をベースにモダンな明るい作風を目指し、お藤役に歌手の喜代三を登用、屑屋役の高勢実乗、鳥羽陽之助コンビでコミカルさを加えるなど独自の演出を行っています。左前においては、伊藤作品における虚無的なイメージを廃して根っからの好人物に変え、大河内傳次郎の喜劇俳優の才能を見事に引きだしています。（参考:Wikipedia）

😆Story:（参考: yahoo movies ）
とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた。やがて、その壺は道具屋を介して少年・安吉の金魚入れとなる……。

🔸Database🔸
・邦題 :『丹下左膳餘話　百萬両の壺』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1935
・日本公開 : 1935/06/15
・上映時間 : 92分
・受賞 : ※※※
・監督 : 山中貞雄
・脚本 : 三村伸太郎
・原作 : ※※※
・撮影 : 安本淳
・音楽 : 西悟朗
・出演 : 大河内傳次郎、喜代三

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
28歳の若さで亡くなった昭和初期の名匠・山中貞雄の代表作として知られ、大河内傳次郎扮する浪人・丹下左膳を主人公に描いた傑作時代劇。矢場に居候しながら用心棒を務める丹下左膳と女将のお藤は、店で刺殺された男の息子・ちょび安を引き取ることに。ちょび安はとある壷を金魚鉢として大事に持ち歩いていたが、実はこの壷には百万両の隠し場所が塗り込められていた。多くのフィルムの原版が失われてしまった山中作品の中で、現存する3作品のうちのひとつ。2004年には豊川悦司主演で「丹下左膳　百万両の壺」としてリメイクされている。

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というわけで明けまして。

正月なんでウルトラハッピーな戦前日本映画を。

前回の「鴛鴦歌合戦」のさらに４年前。つまり１９３５年の作品なのよ。まだ２・２６事件すら起きてないの。そんな日本映画はテンポの早い「あれ、これスクリューボールコメディじゃねえ」って思わせる映画を作っていたの。

ただ少しだけ弱点があって昔の作品だからだろうか、大河内伝次郎が大根だからだろうか（失礼）どうにも声が聞き取りずらい。劇伴なんかかかっていると何言っているかわからない。そこだけは僕はダメでした。

でもそれ以外はブラボー。とにかく笑える。にやにやする。それも昨今の「言葉で笑わせる」映画でなく「画」で笑わせる映画なのよ。だから集中してないと全くおかしくない（コメディ見たのに結構へとへと）。笑う「間」なんか山中貞夫は無視なんでぐいぐいとコントを持ってくる。でもそれこそ「映画」じゃねえって観ていて思ってしまった。

好きなシーン
・何回撃っても的に当たらない矢
・闘っているときに「負けてくれ」って小声でささやく
・鼻の油つけて金魚釣り
・奥方いつもぷいっと横を向く
・最後の的が巨大

決して説明しない映画なんでそこ見つけたときにニヤニヤ。クスクス。ゲラゲラ。いや素敵ですよ。嬉しいですよ。笑いはこうでないといけないよねって思う。

以前芸人が言っていたけど「書かれた」おかしさと「話された」おかしさは違うのよってセリフがあったんだけど、それを換骨脱胎するなら「映された」おかしさも違うわけだと思う。だから松本の映画はつまらないんだとしみじみ感じながら見てしまった。この映画は「映された」もののおかしさなんだよ。

まだ観てない人いたらぜひどうぞ。今回は「笑い」でレビュー書いたけど、笑いだけでなくアクションも感涙も（それでいてウエットでないのが素敵）サスペンスもある（サスペンスのときの大河内伝次郎の恰好いいこと！）。映像は古いのに昨今の映画より「映画」が詰まっている。「見る」という娯楽が少ない時代だからこそ「見る」楽しさをふんだんに取り入れている作品である。

戦前にこんな楽しい映画撮ってたとは。
自分が見た作品の中で一番古いツンデレ作品だと思う、ツンデレ好きだから楽しい。
女将さんと丹下左膳のやりとり楽しすぎるな、嫌だ嫌だってお互いに言ってるけど場面変わったら結局丹下左膳が折れてボディーガードしたり、子供送ったりしてて優しい。
女将さんも「あんな汚い子供うちにはおきません」とか言っておきながら子供家に預かって可愛がってるとか2人とも最高。
道場破りしたけど知り合いで、鍔迫り合いしながら八百長の相談してるとかおもろい、すると思った。
バカ殿様で育ったから画面の左側が上座で右側が下座という構図がスッと入ってくる。
神社の鈴を鳴らす音とBGMを合わせてくる感じおしゃれ。
どっかからの望遠鏡を覗いて壺探すシーン、覗いたら丸い画面に切り替わるところとかバカ殿様やぁぁぁって嬉しくなった。
「お金の話と喧嘩の話は大きいほうがいい」とか博多華丸・大吉の漫才を感じた、この聞いたことない諺言う感じたまらん。
いやぁ、江戸は広いからな、10年かかるか20年かかるか、まるで敵討ちだ。
矢が全然当たらなくてウケる。
壺を持っていく大行列のところのBGMがなんかトムとジェリーっぽくてコミカルでよかった。
丹下左膳が博打でうなると言う伏線が見事に回収された時はビビった。
子供の10数えるところの丹下左膳と敵を交互に場面切り替えしてるシーンすごかった。
ご主人浮気するために百万両の壺預けとくとかクズ。
弓矢で的当てするこの店の名前何。
父親死んだこと伝える前に「おめぇ一度も泣いたことないのか？本当か？」ってヤスに聞いて「無いよ、あ、でもおっかあが死んだ時泣いた」って言われてますます言い出しにくくなるのウケまくり。
キョロキョロしたり動きが派手でコミカル。
最後のオチもおもろいし洒落てる。
丹下左膳が口で鞘加えて抜刀カッコ良すぎた、片目の傷など既視感があると思い調べたらワンピースのロロノア・ゾロのモデルと噂されていたり、信じるか信じないかはあなた次第。