xavier

GOのxavierのレビュー・感想・評価

GO(2001年製作の映画)
3.8
国境線なんか俺が消してやる…
在日韓国人の杉原は日本の普通高校に通う3年生。父親に叩き込まれたボクシングでヤクザの息子の加藤や朝鮮学校時代の悪友たちとケンカや悪さに明け暮れる日々を送っている。そんなある日、杉原はパーティで桜井という少女と出会い、ぎこちないデートを重ねながらも少しずつお互いの気持ちを近づけていくが、唯一尊敬できる友人であったジョンイルが些細な誤解から日本人の高校生に刺され死んでしまう…
ストーリーはこんな感じ。
脚本を出掛けているのは宮藤官九郎。今の脚本はコメディっぽい作品が多いんだけど
この作品はドラマ"I.W.G.P"が大ヒットした後だったからなのか結構シリアス。
まぁ、原作も金城一紀だから、そんな感じになるのも当然かなぁ。

物語としては窪塚洋介演じる在日韓国人の杉原が柴咲コウ演じる日本の女子高生の桜井との恋を描いたもの。
映画"バッチギ"はこの作品と男女逆のパターンの作品なんだけど描かれるのは恋の難しさって事。でも同じ外国人なのにアメリカ人はOKで韓国人や中国人はNGってのもおかしな話なんだけどねぇ…
戦争が終わった後でも日本に居た朝鮮人たちは結構虐げられていたんだよね。
他の在日韓国人が描かれた作品には頻繁に出てくるしねそんなシーン。
日本人がそういう態度を取ってるもんだから、いつかはその虐げられた感情が爆発してやり返されるのを恐れていたのもあったのかもね。でも桜井の父親が"中国人や韓国人は血が汚い"から付き合うなぁって言うのはどうなんだろう?
もし自分がそんな立場になってもそう言われて我慢出来るんだろうか?って思ってしまう。まず反発はするだろうね、そりゃ当然。でも杉原はしなかった…
きっと悲しかったんだろうなぁ。在日韓国人であっても杉原は杉原、何もそこら辺にいる人とは変わらないんだからね。

この作品が作られたのは約20年前。まだこの頃ってこんな風潮が強かったんだな。今なんてK-POPアーティストなんて大人気なのにね…
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