特に期待せずなんとなくみたら大好きなタイプの映画であった。
夏休み、少年少女、幽霊…ってエモの塊映画。
余韻すごい系、『アフターサン』とか好きな人はきっと好き。
遅効性の毒のようにじわじわ効いてきている。
行間読ます映画。暗がりでなにが起こってるのかわりと謎。はっきりしないので好き嫌いはあるだろうな。
途中まであまずっぺぇーとニヤニヤ。どこか懐かしくてせつなくて、しかし随所に感じる不穏な空気と死の匂い。
バスティアンは童貞感がかわいくて、久々に会って大人っぽくなった年上のお姉さんにドキドキしてるけど子供扱いされて、でも弟ほどはこどもではなくて結構都合よく扱われてるかんじ。
クロエちゃんはミステリアスでどこか危うい雰囲気。16歳ってこんなかんじよねって思いながらもちょっとハラハラする気持ちで観ていたら最後は…たぶんそういうこと?
明確に描かれてないので人によっては解釈は違うのかもだけど…クロエちゃん、悪いオンナよ…
ラストカットは胸がきゅっとなった。あれは次の夏かな?
すべてはきっと『思春期』によるもので、クロエのあの大人ぶりたいけど大人になりたくなくて寂しくて不安定なところも。バスティアンの(彼からみたところの)大人のおねえさんにドキドキしちゃって都合よく扱われてるのに喜んでついていっちゃうのも、そしてすぐバレるであろう嘘も…きっと思春期のリビドーゆえ。意識はしてるけどきっと恋ではないとおもう。
死因:思春期
しっかし、親御さん放任すぎやしないかいとおばちゃんはモヤモヤしてしまうのであった。
ちゃんとみておけばあんなことにならずに済んだのでは?
終始画面が暗くて、特に夜のシーンは暗すぎてあえて暗がりでどうなってるのかは明確に映してないのだろうけど…テレビの電源落ちたんか?ってほどで画面には反射する自分。
映画館で観たかった…それか夜真っ暗な部屋で。