Eyesworth

ファルコン・レイクのEyesworthのレビュー・感想・評価

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)
4.8
【湖と幽霊】

シャルロット・ル・ボン監督が長編初メガホンをとった作品。フランスのバンドデシネ作家バスティアン・ビベスの「年上のひと」を原作に、16mmフィルムに焼き付ける、少年と少女の<忘れられないひと夏>の物語。

〈あらすじ〉
もうすぐ14歳になるバスティアンは母の親友ルイーズのもとで夏を過ごすため、家族4人でケベックの湖畔にあるコテージへやって来る。ルイーズの娘である16歳のクロエと出会ったバスティアンは、大人びた雰囲気の彼女に恋心を抱く。クロエの気を引くため、幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くバスティアンだったが…。

〈所感〉
テイストといいフィルムの解像度といいB24っぽい映画だなというファーストインプレッション(褒め言葉)だった。敢えて言うなら、みんな大好き『アフターサン』と『A Ghost Story』を掛け合わせたような作品でとてもエモく、見終わった後も余韻に浸れる読後感がある。13歳の少年からしたら16歳のちょっとエッチなお姉さんとのひと夏のバカンスなんか健全安全青少年には溜まったもんじゃないご褒美だが、湖というロケーションもあり、閉塞感漂う息苦しい冷徹な雰囲気が常に拭えない。その死の雰囲気に子供たちが徐々に毒されていくのが恐ろしい。そしてあのオチは読めなかった。ラストシーンを見て皆さんよく理解できたなと思ったが、私の理解力が低いだけか。あれを見てそういう事だと一目で感じ取れなかったのが今の私の残念な感受性である。そうか、そういうことだったのか。確かに最初から最後までメタファーは多かったけど。オチを知った上でもう一度みたいシックスセンス系作品。ヒロインのクロエを演じたサラ・モンプチちゃん(名前可愛い)知らなかったが、エマ・ストーンのような極太眉毛がめちゃくちゃ好み。彼女のためなら湖で一生一緒にいてくれや(三木道三)も辞さないだろう。
Eyesworth

Eyesworth