きのっぴ

野いちごのきのっぴのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
4.5
富も名声も手に入れているが厭世的な老人が、1日の旅で出会う人たちに影響されて過去を回顧し、救われるロードムービー・・・と言ってしまえば確かにそうなのだけど、たった1時間半の作品のなかで、これでもかというくらいグサグサと心に突き刺さるシーン、台詞の数々。。。

博愛主義とは無関心、孤独の裏返し。

形而上的な、シュルレアリズム的なシーンと実存主義的シーン・会話がテンポ良く構成されていて、一見小難しそうに感じるのにそんなことなく引き込まれる。

主人公だけでなく主人公を取り巻く一癖ある(人生に色々なものを抱えている)人たちの彼らなりの立場による想いも含め、観るたびに、そのときの自分の感情により、そのときの自分の置かれてる境遇により、年齢により、受ける感覚が変わりそうな作品。
何度も観たい作品。
きのっぴ

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