ダイナ

BEANIE MANIA -全米を狂わせたぬいぐるみ-のダイナのレビュー・感想・評価

4.0
90年代後半に大流行した「ビーニーベイビーズ」というぬいぐるみシリーズについてのドキュメンタリー。可愛らしい動物ぬいぐるみ誕生の経緯から流行した理由、ブームの終焉までを当時の映像資料や関係者へのインタビューにより浮き彫りにした興味深い一作。ちなみにこの時期日本ではプレステ・64・たれぱんだやたまごっちとかが流行。なつかし〜。

単純なおもちゃ特集映像…では終わらず、本作の肝はぬいぐるみに魅せられた人達の暴走ぶり。ブームが強くなっていくにつれブランドの価値が上がり収集家のターゲットにされ需要が供給を上回る状態に。転売屋に乱獲されたり偽造品が出回ったり麻薬みたいな扱いで秘密裏に取引されたり。中盤以降は必見、ニュースにまでなった人間の浅ましさが剥き出た行動はドン引きしながらもどこか笑いを誘われます。

可愛らしいぬいぐるみに翻弄される人間達。存在するだけで人間の本質を暴き社会を混沌とさせるキュートで腹黒い物体…SCPか何か?と冗談は置いといて、ぬいぐるみ一つを取り巻く人間達の思惑や動きが面白く、観た後は身近なおもちゃの世間的な価値や自身にとっての価値を見直したくなります。

廃番を絶滅危惧種と言っているユーモアが好きです。ノンフィクション系として面白く、そしてインターネットセンセーションの先駆け例としてこの愛くるしい布の集合体を知っておいて損はないでしょう。
ダイナ

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