さうすぽー

レジェンド&バタフライのさうすぽーのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
3.2
自己満足点 63点

織田信長と妻の帰蝶(劇中では濃姫)の関係を題材に木村拓哉と綾瀬はるかのコンビで描いた時代劇大作。

映像に映るロケーションは、オープンセットだけでなく実際の重要文化財や世界遺産に登録されてる実在する寺や城で撮影されているので、最近の邦画と比べても豪華絢爛で圧倒されます!

また、ほとんどの大河ドラマでは強くて家来から恐れられる織田信長が、今作では格好ばかりの"うつけ者"で強がっていながら実際は足が震えるほど怖がりという新たな一面を描いていました。また、綾瀬はるか演じる濃姫は父の斎藤道三からの教えでとにかく武術が強い女性となっており、昨今の男女関係を意識してるような描きかたで新鮮でした。


ただ、描きかたとしては個々の事件や戦が大幅にカットされており、桶狭間の戦いは合戦シーンが一切描かれておらず、長篠の合戦に関しては一言も触れられませんでした。
一応少し触れる程度の描写は入れた方が解りやすいし、ストーリー展開が良くも悪くもダイジェスト感があって少し気持ちが冷めました。

また登場人物に関しても、
信長と濃姫の関係性や人物像はしっかりと描けても、他の主要人物(例として明智光秀や伊藤英明)の人物描写が少なくて、劇中の行動理由が少し薄く感じてしまいました。


ただ、ラストの本能寺の変に関してはほぼ完璧で素晴らしかったと思います。
血生臭い殺陣であったり、今作のストーリーを纏める素晴らしい演出とストーリー展開でした。


内容は良かったけど、時代劇大作として娯楽的な要素がそこまで無いのが低迷してる興行収入の原因なのかなと考えてます。