「どーせいつものキムタク映画でしょー？リーダーシップ発揮して合戦しまくって敵を薙ぎ倒してくキムタク様❣️系でしょー？」って思い、映画館にお金を払わなかったことをお詫びしたい。🙇♂️
アマプラ解禁で、まぁそれならくらいの気持ちで鑑賞。
序盤は織田信長の変化の描き方が雑に見えたのが、中盤にかけて、この映画の描かんとすることが分かるにつれて、見え方が変わってくる。
史実に残る魔王のイメージを崩しはしないものの、実際人としてこの世に生まれ落ちた以上、無かった筈のない人間らしい一面を見事に加味して、彼と彼の物語を再構築している。
また、キムタク作品を長く離れていた私からすると、彼の演技にも感動した。
ただ立っているだけで華になる人が、そこに胡座をかかない姿勢。演技一筋でやってきた俳優とも違うが、元アイドルの域はとうに脱した彼の演技力は、「何をやっても彼になる演技」を経たからこそ「彼にしかない演技」に変わりつつある。
多分、私同様に、キムタク映画だからと劇場に行かなかった人が多いと思われて、興収には繋がらなかったことが叩かれ気味だけれど、興収や宣伝に惑わされない映画ファンなら、この映画がいかに本気で作られたかは瞭然としている。
これを機に、キムタクのイメージを私は更新しようと思わされた。
もう彼はSMAPのキムタクではなく、俳優木村拓哉である。
この映画予算が劣勢な時勢に、これ程に予算を使い作られた、日本の歴史を描いた日本にしか作れない映画。
日本人にとっては大切にするべき作品の一つではないだろうか。
売れた売れないは結果論だけれど、いい映画が必ず興収を叩き出す物でもない。
これに懲りずにこんな映画が生まれていけば、日本映画の時代もまた来る。そんな期待をさせてくれる。めちゃくちゃ素晴らしい作品。
もっかい公開してくれたら1,800円払おーと。🥲
