この映画の再パッケージ化で、初めてTSUTAYAの発掘良品を褒めたくなりました。
子供の頃(昔はこんな凄惨な映画を良くやってたなぁ)、事故的に出会い脳裏に焼き付いた思い出深い作品なんですよ。
ナチ占領下のフランスで、妻子を殺された穏和な男が復讐の鬼と化していく……。
と言っても、ロベール監督は単なるナチへの復讐映画を作ろうとしたんじゃないんでしょうね。その証拠に、復讐を達成した後に見せる、主人公ジュリアンのあの表情なんだと思います。
そこには復讐を経ても、帰らぬ妻子の喪失感とも、復讐の虚無感とも……複雑な心理を描く見事な演出でした。
また重ねて悲しいのは、彼の思い出までもが蹂躙される描写(そこまでせんでも(T ^ T) )。この辺は欧州の、ナチズムへの徹底した怒りの現れでしょうか。
オープニングとラストに家族が幸せだった頃の『追想』を描き、同じ画でありながら、その意味合いを全く変えてしまう構成は、巧い!っと同時に、なんとまぁ残酷な訴えかけをするモノだと、感慨深い作品でした。
TSUTAYAの『TSUTAYAだけ!』はどうかと思いますが、こう言う作品の再パッケージ化は有難いの一言ですね。