Aya

空気殺人~TOXIC~のAyaのレビュー・感想・評価

空気殺人~TOXIC~(2022年製作の映画)
2.1
#twcn

駄作じゃないです。
無能が作った映画です。

この事件わたし知らなかったのですが現在進行形で問題定義としてのテーマも興味深いし原因やその追及など非常に興味深いのに監督・脚本のチョ・ヨンソンが無能やったがためにめっちゃ残念よね…

できるだけ近いうちにちゃんとした文脈の脚本が書ける人に助けてもらって別の監督が同じ事件を取り上げた作品を作ってもらえるといいね…

映画が無能ってだけで事件は事件で大変なんだから(T_T)

どっから説明しようかな…まずいいとこからいこうか!

私、病院で働いてるのですが久々にフィルムのレントゲンを見たからグッときましたね…韓国のカルテも初めて見たのですが…てか紙カルテ見たの何年ぶりやろ(T_T)

1号用紙(カルテの一番最初の名前や生年月日、保険番号etc...などの個人情報が書いてあるページ)日本と一緒や!!!韓国でも医療事務の仕事ができるのかも…

なんか親族の解剖を進んでしたがるDr.っていらっしゃりますよね…これも万国共通なのかな?

この映画って基本みんな火葬にしてるじゃないですか?
葬式や共同墓地のシーン多いのに教会も神父も牧師も出てこないし「来世で〜」的なセリフも出てきたからこの映画の登場人物の世界は「仏教」が共通認識でいいのかな??

笑ったのはアメリカ人の被害者が一瞬出てきてびっくりしたO2の「在韓アメリカ人キター!訴訟になったら損害賠償やばい!」ってなった時に「そうだよね…なんとなくアメリカは韓国より乾燥してそうだし加湿器とか使わなそうやのになんで湿度の高そうなアジアに来て加湿器なんて使ってんだよって感じだよね。知らんけど」って104分の中で最も登場人物と一体感を感じました。

あと、役者さんも頑張ってはったんじゃないですかねえ…脚本読んでても演出受けてても意味わからへんかったでしょうし…撮ってる時は時系列もバラバラだし編集するのかな?って思うでしょうしねえ。

主人公の救急医のおっさんは奥さん亡くして息子は今も闘病中。仕事もしてるやろうし後輩外科医もめっちゃ協力してくれるしその後輩と義理の妹の元検察の強気正義感満々弁護士との恋展開とかあると思ってたのに…そういうサービス精神もないのかい。

あの妹さんめっちゃ可愛いしキャリアを失って無給で大企業相手の長期訴訟抱えて(多分秘書のお給料は自腹で払ってそう)頑張ってるんですけど…そういう経済的な問題はなんで出てこないの??

経済的に困窮してる原告側の被害者の貧乏描写をあからさまに出してくるくせに、上記のような「持てる者」が持ったまま苦労せずになんか頑張ってる風で「持てない者」は普通に経済的に困窮していくのは変わらず…

映画やから一旦経済的な話は置いとこう! or 病気+金銭的に苦労してる人がいるんです!

どちらをリテラシーとして置きたいのかあべこべでバランスが悪くてわかんない…もう途中からボーッとしてくる。

主人公のおっさんが「裁判費用出します!」原告の皆様「わー!」ってなってたけど、そんなに金があるなら、あの時あの人に「俺が金貸す」って言えばええがな…Why??

生命保険とか医療保険とかの民間の保険金堂のこうのって話とかも入ってもいいのにね。

そして主人公のおっさんなぜ大学の前で加湿器使ってなさそうなピチピチの大学生に訴訟のチラシを配っているんだ…

2020年に撮影開始してるから人少ない道でエキストラ少なめで撮影したからああなったのか?

もしくは義妹ちゃんが頼りに行った先生の家がなぜか韓屋やったじゃないですか?ってことは北村周辺??とかロケの都合色々考えるよねw

家の中もそうで主人公の息子が寝てる部屋にアートとか飾ってあるし子ども部屋っぽくないと思ったら夫婦の寝室やん。
え?子ども部屋映らなかったけどそこでも加湿器使ってたの?そもそもなんで病気の時に加湿器のある親のベッドに寝てんの??

から始まり

アル中のおっさんは職場に住んでんの?
娘が療養中のババアは別に借金とりに酸素持って行かれるほどなら2階建ての家から引っ越せば?
O2の悪どいおっさんの地下の仕事場はもっと作り込むことで語れるよね?
主人公のおっさんは自宅実験の間どこで寝泊まりしてたの?
義妹オフィス色々書類とか増えてるけどこの訴訟以外の仕事してる風じゃね??

こういう文脈を紐解くのに必要な要素であるロケ地や大道具、小道具がおざなりなのって「製作側の都合です」が一定理解できるときもあるけど、この映画は多すぎて普通はヒントになる背景が関係なさすぎて邪魔になるんですよね…

Covid禍下での撮影大変やったかも知れへんけど、せめて室内だけでももうちょっと…無能でしょ?
やる気がないのなら役者さんに失礼ですよね。

上記覚えてるだけでも書き出してみたんですけど、ストーリーラインが定まっておらずごちゃごちゃしてるので物語の見せ方はおろか説明もド下手だから疑問点が残りまくりなんやけど画的な質も低くてキャラクターはそこそこ共感を抱けるのに、持ち味を活かし切れてもおらず…

ほんと無能が映画を作るとこんな風に失敗しますよ?ってお手本みたいな残念な映画。

全体的に「あ、何か展開する?」と思ったら「あれ?なにも起こんないの?てかアレとソレが繋がってない」とすっと梯子外される感じ。

そもそもこの原告側の目的が一番引っかかってるのですが、被害者や遺族が一致団結して

「O2から謝罪を勝ち取ろう!」

って言ってて

「そこじゃない!」

って声出そうになったw

だってこういう時って「これ以上犠牲者を増やさないために!」「今の状態をなんとか…」ってなるのが普通やん…映画やし綺麗事でもええやん…

主人公のおっさんなんて今現在子どもがやばいし「妊婦や子どもに被害者が多い」ってずっと言ってるのになんで目的がそこなんやろ…カクッですよね…

やのに最後の最後まで「謝れや!」って言ってるからもうツッコむのも面倒くさくてボーッとしてました。

てか自称ブリトンのCEOがマレーシアに行こうとしてたけど金浦空港からマレーシア行きの飛行機って飛んでました??

日本には帰ってこれるから飛んでるのかな??
LCCとかしかないけど…

でも私でも金浦空港でロケしてるの見たことあるくらいなのでメッカなのかもねw

で、製作のマスターエンタテイメント"마스터원엔터테인먼트"って聞いたことない会社だな〜とクレジット見てたのですがやっぱりピンとくるような人がほとんど見当たらなくて…

後で調べたら今作が最初に作った映画で新しい会社なのね…

ひょっとしてチョ・ヨンソン監督が"君に泳げ!"の大失敗でどっこもお金出してくれないから作った会社なのかな?とちょっと思ってます。

まあ、今作がこんだけボロボロなんやったら会社自体も危ういですよね・・・知らんけど。

でもほんとに何も知らずに映画を見るって面白いですよね。

私は基本的に予告編は愚かポスターもチラシもパッとしか見ない、できる限り前情報を入れずに映画を見たいと努めています。

なぜなら映画を観て「驚き」たいから。

それこそタイトルが覚えられずチケットをうまく買えなかったり多々あります。

でもこの作品に関しては"君に泳げ!"の監督の作品やって知ってたら観なかった可能性大なので知らなくて良かった〜。

そりゃ観る映画観る映画、名作ばかりが理想だけどそういうわけにもいかないし自分の好みとは違うもの、知らないもの、逆に駄作を見るとなぜそうなるのか?を考える良い機会になりました。

チャンチャン♪


日本語字幕:田中 三栄子
Aya

Aya