レオピン

空気殺人~TOXIC~のレオピンのレビュー・感想・評価

空気殺人~TOXIC~(2022年製作の映画)
3.8
タイトル出るまでが不穏
実録社会派モノ こんな出来事 知りませんでした

日本でも以前湯沸かし器の一酸化炭素中毒なんてあったよなと見始めてすぐに思い浮かべたが、ちょっと韓国の大企業の描かれ方が相変わらずで、法廷ドラマも弱くそこはややノレなかった。

こういった企業犯罪・組織犯罪は国や行政といった周りのステークホルダーの責任もデカい。あの紅麴サプリだってそう。加湿器に殺菌剤を入れれば風邪に効くと大々的に宣伝した広告会社の問題もある。

事故の因果関係が明らかになった時点ですぐに対応できない組織。過組織症 メガホリズム。失敗研究の事例としてもっと社会心理学的に分析されるべき。白黒はっきりとした対立に落とし込んでいては本当の問題の核心を捉えることはできない なーんて

だが責任のなすりつけ合いをする役人たちを見て思いは変わった。遺影を抱える遺族を目の前にし、外では激しいデモの声が聞こえるのに最後まで何も変わらない。10年たっても謝ることすらしない。。

敵はありとあらゆる工作を打ってきた。被害者家族間の分断もあった。被害を可能な限り低く見積もろうとする加害側。第三者を装った不公平な検証、ヒヤリング 時間稼ぎで世間の忘却を狙う
被害を訴える者へのレッテル張り 個人攻撃 誹謗中傷 謝罪と見せかけて自分たちの正当性を主張 見せかけだけの改革案 責任は立場が下の者へ押し付けて終わり チョン

と全部どこかのタレント事務所で見たのと同じ光景やないか。多分こういうマニュアルがあるのだろう。この構造がTOXIC まじポイズン まじ反町っス🔥

だが時に映画の力が現実に変化をもたらすこともある。『トガニ』公開によりトガニ法が成立したのと同様、本作も大きな世論を巻き起こしたそうだ。

人をなんとも思っていないこういう輩どもへ鉄槌を下す。結局まんまと映画にはまってしまった。あんなもん全員往復ビンタや。
やっぱり韓国映画は正しい道を行っている。


⇒劇中日本の水俣病も紹介されていたが、タイムリーなのが水俣病患者のマイクOFF問題。ああいう上から目線な態度はもうずっと続いてきているんだな。当時環境庁長官だった石原のIQが低いなどといった侮蔑発言。記録に残る差別丸出しの行政文書。偽患者呼ばわり よく似ている・・・
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