奇しくも連日大河ロマンス作品を観ることになったが、こちらは比較的しっかりと少女漫画の系譜にある、大河風のマイナーチェンジといった印象を受けた。
ふっくらと温かみある画が魅力的で、紙芝居か人形劇かといった形で語られる少ししょうもない歴史のおとぎ話感といみじくも調和していて良かった。登場する固有名詞もどこかチャーミングなネーミングで和む。
その割にはしっかり文字通り「建設的」に国を動かす計略が図られて、丁度よいリアリティレベルでのストラテジカルな熱さと面白さがあった。個人的にはもっと両国の文化形態を覗いてみたい気持になった。
あとシナリオで言うと、少しシニカルな、「二・五枚目役者」くらいのキャラが腹を決めて頼りになる展開ってアツくて好きや。
そういったいちいち愛せるキャラクターが揃っているのも良くて、そして何よりメインの二人が素直に応援できるええ夫婦。cv賀来賢人はひたすらナイスガイだし、cv浜辺美波は劇的に滑舌が改善されていて、双方押し並べて好演だった。
日常的にお世話になっているエバン・コール氏の劇伴はもちろん、挿入歌も爽やかな広がりを感じる美しいものでとても心地よかった。
