2023年 16本目
国家中枢の右派と左派の対立が思いの外とても丁寧に描かれており良かった。経済も武力も豊かで水だけが深刻に不足している国家が、戦争をすれば絶対に勝てるであろう水の豊かな隣国に攻め入るべきか、否か。末端王女でおっとりした性格のサーラと貧しいが賢い建築士のナランバヤルのふたりを主軸に物語は進む。
右であれ左であれ、まず第一に政治家として「国民の幸せを第一に考える」という大前提。現代では世界中どこを見回しても、利権にまみれた私利私欲で争い合っており、絵空事のように思えるこの前提を、アニメーションだからこそ嘘臭くなく描くことができたと思う。
上映後の特典映像?かなにかで主演二人の声優と監督のトークショーが流されたが、話の内容が浅すぎて映画自体は良い作品だっただけに台無しにされた気分になった。