チーズ

金の国 水の国のチーズのネタバレレビュー・内容・結末

金の国 水の国(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

金の国と水の国。金の国は豊かで発展しているが、水不足。水の国は経済的に豊かではないが、水が豊富にある。両国は協力すれば互いに助け合い発展していけるはずなのだが、現在、関係はあまり思わしくはない。そして、とうとうしきたりの日がやってくる。

金の国は、「水の国の息子に国1番の美女を妻として送り出す。」水の国は、「金の国の娘に国1番の賢い男を夫として送り出す。」という昔からのしきたりがあった。しかし今回互いが結婚相手に送ったのはなんと、動物だった。
結婚相手に動物を送られたことにより、これ以上の国の関係悪化を懸念した二人は、互いに協力し合い、周りの人々を巻き込みながら両国の関係の改善のために勇気を出して動き出す。

平和と変化を望む人々の、愛と勇気、友情の物語。

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国同士の政治、王族、戦争、歴史の話…となるとそういった学がほとんどない私はすぐに頭を固めてしまい、難しそうだと勝手に脳がシャットダウンしがちなのだが、難しい単語を使ったり、学術的な話をしたりするシーンは全く、ほとんど無かったため、思ったよりすんなり見れた。
このアニメ映画で私が一番感じた魅力は、「人物像がリアル」だということで、それぞれが自身の希望、理念に基づいて行動しており、その一人ひとりの行動が主人公たちによって少しずつ良い方向へと変化していくのが、見ていて気持ちよかった。癖の強そうな人、頭の固そうな人、偏見を持つ人、一見話ができなさそうに見える人…敵役やどちらにも属さない人、様々な立場の人々が出てくるが、どんな人でも一度話してみないとわからない。互いの国や人に対し偏見を持たず、対等に、等身大で立ち向かっていく主人公たちが光でした。大きなことでも小さなことでも、とにかく、やってみないと、伝えてみないとわからない。大きな変化を起こすには自分の小さな変化から。一人の人間の行動の影響力、というものを甘くみてはいけないなと思った。難しそう…と腰が重く感じられることでも、ちょっと力を出してみれば意外と簡単に変わっていけるのかもしれない。そんなことを教えてもらった気がした。
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