KnightsofOdessa

四月のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

四月(1962年製作の映画)
3.5
[] 70点

初イオセリアーニ。序盤は迷路のように入り組んだ古い街で若いカップルが追いかけっこをしている。通りには若い男と同じ格好をした男の集団となんらかの家具を持った男の集団と楽器を演奏する老人たちの集団が入り混じって混沌としている。続いて登場するのは郊外に建てられた画一的なマンションで、空っぽの部屋に入居したカップルは、隣人たちに唆されるような形で徐々に家具を増やしていく。しかし、その家具を作るためにシンボリックな思い出の場所である木は切り倒され、それを守るために扉に鍵が足され、やがて足の踏み場もないほどに、耳の休まる暇もないほどに物質に埋め尽くされる。もっと楽しい映画かと思ってたが、徹底した強烈な物質主義批判が展開されていて驚いた。
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