オーシャン・シティで凶悪なギャングによる銀行強盗が発生するが、突如現れた謎のヒーローマンティスにより神経麻痺毒で動きを封じられ警察に引き渡される。キャスターのバーンズと監察医のエミーは独自にマンティスの正体を探るが…というストーリー。
暴力渦巻く街に突如現れた謎のヒーローマンティスの活躍を描くヒーロー映画です。製作総指揮と原案でサム・ライミが参加しており、劇中にもマンティスについて電波な目撃情報を警察にタレこむ変人役で出演しています。主演以下の俳優陣を黒人キャストが占めるブラックムービーでもあります。
ギャングが強盗やひったくりを行う現場に現れるヒーローマンティスが次々と悪党たちを制圧していき、リポーターや監察医の女警官がその正体を追いますが、その中で市長選を巡る陰謀も明らかになっていきます。
マンティスのハイテク兵器が見所と言えますね。普通の車から変形して空飛ぶ車になって空中を飛びながら対象を追い掛けたり、神経麻痺毒で悪党を動けなくしたりします。この麻痺毒を撃たれた相手が撃たれた時の格好でピクリとも動けなくなるところはコミカルで楽しいですね。マンティスの着用する戦闘スーツやジャケットのマスク等どことなくグリーン・ゴブリン彷彿させますね。マンティスの正体は中盤前くらいにアッサリ明らかにされますが、まあこの人だろうなという感じでしたね。彼の部下2人もいいキャラでした。部下とアジトで犯罪が発生する情報を集めて出動する所など「バットマン」みたいでしたね。バッテリー内蔵されてる背中部分鉄パイプで殴られたり水かけられるとショートしてピンチに陥る弱点ありますが。
サム・ライミがどの程度関わっているかはわかりませんが、全編溢れるアメコミ愛は彼自身の意思がかなり反映されてるんじゃないかなと思います。上記のマンティスのデザインがグリーン・ゴブリンっぽいのも後に「スパイダーマン」三部作とること考えるとある意味当然かも。
市長選に関わる陰謀と黒幕もわかりやすく単純な所もアメコミっぽいっちゃポイかな。
序盤で車から木箱落として渋滞引き起こして止まってる車をローラースケート履いてるギャングが襲撃してバッグ盗ろうとする無茶苦茶な計画おかしかったですし、クライマックスで暴動が起こって警官隊が衝突しそうなところで神経ガス撒いて皆の動き止める所もパントマイム大会みたいで面白かったです。ハイテクカーとヘリとの空中での追跡劇も
物語的にはヒーロー物の序章という感じですね。黒幕突き止めたと思ったら真の黒幕の存在匂わせて終わりますし。でも、続編は作られてないんですよね。
王道のヒーロー物という感じでTV映画なので映像的にはショボいし地味な印象でVHS止まりなのも仕方ないかなと思わせる所ありますが、「スパイダーマン」三部作をとったサム・ライミの溢れるアメコミ愛とヒーロー愛が「ダークマン」と並んで感じられる一作ではあると思います。