悪魔の毒々クチビル

バーバリアンの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.8
その家に入ってはいけない

Airbnbで予約した借り家に行った女性が、予約被りで先に入居していた男性と取り敢えず何日か一緒に過ごす事になったが…なお話。


しれっとAirbnbとか書いたけど、そういうサービスがあるのを初めて知りました。
最近ちょいちょいTLに出てくる作品ってな印象でしたが、ディズニー+加入している事だしって訳で観てみました。

おー、成る程。中々良い気がします。

イケメン君のキースをビル・スカルスガルドが演じていますが、製作にも関わっていたんだっけか。

主人公が夜中に目が覚めると施錠した筈のドアが空いていたり、キースがやたら魘されていたりと、何か変だなと少しずつ思わせてから地下室を見つけての急展開は結構意外でしたし一気に引き込まれました。
その後視点がガラリと変わるのも良いですね。

ここでジャスティン・セイウチ・ロングが登場して、視聴者側も「どう繋がるのか」と期待しながら観ていると繋がった瞬間、また視点もとい時系列も変わるという、いやでも物語に食い付いてしまう流れ、嫌いじゃないわよ。

惜しむらくは、色々明らかになった後半以降が期待していた程盛り上がらなかったことか。
まぁ顔面破壊とか腕千切れたりとか、いくつかゴアもあってそこは好印象でした。
あと暗闇の道を懐中電灯の灯り頼りに進んで行ったら案の定、みたいな演出は分かっていても怖いよね。

映画業界の問題の一つ、監督やプロデューサーによる性被害をゴリゴリにぶっ込んで「口だけでなら何とでも言えるが、お前らのようなやつは結局クズのままなんじゃ」と言うかのような内容をちゃんとホラーのあるある展開にさせている所、今風だなぁと思いました。

個人的に気になったのは何人かの登場人物の台詞から察するに、これで終わりじゃなさそうな様子だったんですよね。
警察の無能っぷりも、もしかしたらあの家の事をある程度知っていたから関わりたくなかったんじゃないかと思うくらい。
一応今作の主人公であるテスの物語はこれで終われるかもしれませんが、設定のどこに焦点を当てるかで中々の胸糞映画にもなれたりハイテンショングロゴア映画にもなれるんじゃないかなと勝手に思っているので、続編やスピンオフは作りやすそうな気がします。
そういう構想があるのかどうかは全然知らないんだけど。