決して悪い映画だとは思わないが「マリリン・モンロー」としては観られない。「とあるスターのについてのサイコホラー」として観るのが正解だろう。そして胸糞映画としては最高だ。再度言うが本作は、マリリン・モンローの伝記映画では断じてない。
アナ・デ・アルマスはワン・オブ・マイ・フェイバリット・アクターで、そんな彼女がポップ・カルチャー的に大きく様々な意味を持つマリリン・モンローを演じるのならば、と本作を観たが、ここまで観るのが苦痛だった映画を本当に久し振りに観た。他は「ハウス・ジャック・ビルド」くらいか。この3時間弱は本当に苦痛だった。思考が停止して行くのを感じて、何度となく休憩を挟んだ。
彼女の芝居と映像技術的には素晴らしいのだが、長々と3時間近く見せられるのはトップ・スター「マリリン・モンロー」の史実をベースにした作り話だ。しかもそれがサイコホラーとして語られる。その語り口の露悪さには閉口を禁じ得ない。
だから前述の通り本作は「とあるスターのについての胸糞サイコホラー」なのだ。
スターと本来の自分と言う二面性の間で内面が崩れて行くサイコホラーと言う意味では、今敏「パーフェクト・ブルー」を類似作品に挙げられるだろう。