KAYA

灼熱の魂 デジタル・リマスター版のKAYAのレビュー・感想・評価

5.0
重いけど好きすぎて繰り返し観てるオールタイムベスト。

RADIOHEADのYou and whose army? と共に始まり、こちらに向けられた少年の眼差しが脳裏から離れない。初っ端から、我々は傍観者、そして目撃者として、フレーム外に突き放される。

現地の人々は、実際に、ヨルダンの難民キャンプにたどり着いた方をキャスティングしているらしい。冒頭の少年もその1人。彼と、彼を見つけたヴィルヌーヴと、それを支えるスタッフと、全員が調和することで生まれる芸術性に毎度のことながら感動で震えた。

ラストの衝撃たるや、首を絞められたように感じるのだけど、鑑賞後は辛さではなく、素晴らしいものを観た満足感の方が勝る。ヴィルヌーヴの隙のなさは初期から健在だった。
戯曲を元に構成を変えて作ったらしいけれど、元々あるものを、想像を膨らませて作り替えるって凡人には到底不可能だよな。

映画好きで良かったと思える映画。
KAYA

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