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灼熱の魂 デジタル・リマスター版のtokiwa3256のレビュー・感想・評価

4.1
『灼熱の魂』デジタル・リマスター版

地元のミニシアターの公開最終日に滑り込み。ヴィルヌーブの映画を映画館で観るのは実は初めて。ブレードランナーの続編もあえて観なかった(これはあとで後悔したけど)

評価が凄く高いことは知っていたが事前情報を入れずに鑑賞。
カメラのゆっくりと横に流れる映像から三つの黒いあざがある少年の強烈な眼力にRadioheadの音楽。「これは絶対面白いやつ!」と確信した。

途中の監獄で(双子と示唆される)赤ん坊を産んだところで結末がわかってしまったが、それはさほど問題ではない。
人を救うための宗教がどうして人を殺しあうのだろう? そもそも論としてアブ・タレクが(異教徒の難民から生まれた子供の人生がどれほど過酷だったのかは想像するに余りあるが)カナダでのうのうと暮らしていること自体おかしいでしょ。チャップリンの映画じゃないけど、戦争でたくさん殺せば英雄なのか。

1+1=1 その解を果たして子供たちに知らせるべきだったのだろうか? 自らの業は自らで墓場まで持っていくべきなのか?
最後に渡される手紙。そこには救いがあったのかもしれないけれど、、

深く考えさせられる映画だった。
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