kazuo

グッドバイ、バッドマガジンズのkazuoのレビュー・感想・評価

3.9
電子書籍の台頭と出版不況、コンビニでの販売撤退などの状況下で奮闘する男性向け成人雑誌の編集者達を実話を元に描いた作品。
ひとつの雑誌を作るのに過酷な労働環境、本意ではない仕事だが段々と熱を帯びる主人公、クオリティと売り上げの乖離、セックスとは?エロとは?衰退していく男性向け成人雑誌を通してこの映画では描かれている。

時代は移り変わる。それはアダルトコンテンツを通して見ると非常にわかりやすく、今作はそんな時代の流れを男性向け成人雑誌を通して映している。
コンビニが主要な販売ルートだが、立ち読みができないよう封がされ、東京オリンピック開催を契機にやがて全てのコンビニで販売されなくなり…
でもそれだけじゃなく、そもそもコンテンツとして男性向け成人雑誌は終焉を迎えつつあったと思う。東京オリンピックはトドメを刺しただけ。

時代は移り変わる。
映画だって変わっている。ミニシアターは減少してシネコンが主流になり動画配信サービスが増えた。

変化は善悪ではなく必然的にやってくるもの。だから寂しいけどそれは受け入れる。でもかつてそれがあった記憶はあり故に今作を観て色々考え楽しめたのは経験によるアドバンテージ。

終わりは始まりでもあり、ラストは微かではあるけれど光が差していた。
kazuo

kazuo