エロ雑誌というニッチなジャンルを扱ったものづくり映画?それこそ「舟を編む」あたりを舞台チックに皮肉でも込めながらコメディに昇華させてくれるのかしら…なんて。
そんなことはなかった。
人間の性欲を扱う出版社でのもちろんセックス然りの欲にまみれながらの物語。
でもなんだかハマれなかったなぁ。。
旅雑誌やグルメ雑誌を作る人たちが、彷徨や食欲の本質についてこんなにネガティブに考えながら作ってるとはあまり思えない。
紙媒体が死に体なのは火を見るより明らかな状況下にあってコンビニの立ち読み禁止がそこまで不可抗力的で絶対的な足枷なのかなぁとか、コスメがどうとか関連企業への忖度とか。
なんか膝を打つようなアイデアとか秀逸なユーモアとかはなにもなくて、ただただ見殺しにされていく、自らの職業を達観してみてるような視点はとくにエロ雑誌でなくてもいいのかなぁとも思えて、なんとなく観終わってしまった。
頸動脈?切られても大して血はでなくて、それでもアソコに血が集まって勃起してて、その上、跨った主婦もガス栓気にしながら子づくりに励むなんていう作品があるとしたら、そんなAV観てみたいなぁとは思った。
だから終わっちゃうジャンルなのかな。企画ものとかタイトルとか、テキストで語られなくてもそれこそ折に触れて、賢者の如く考えさせてくるようなとんでもない作品もこれまでにあったように記憶しているけど。
『うちはナックルズじゃねぇっつうの』は笑った。