精神科医をしているローズはとある患者から自分以外に見えない存在から狙われていると言い出され、途端に目前で絶命をされてしまう。
それからローズの周囲で奇妙な事が次々と起き始めるのだった...!
ひっさびさに心ぴょんぴょんしてしまった最恐ホラー。
低予算だからこそ出来る最恐の表現の果てを観た。とにかくめちゃくちゃ恐い一本。
ホラー映画、大体笑顔が救いになるものが多いが、今作に至っては別、笑顔こそが最大の脅威に回る奇異なもので、恐怖からの逃げ場は作中には一切ないのがまた良い。
それでいて鑑賞後は決して笑顔が恐いという概念を埋め込まれないのだから、本当に大したものだと思う。
笑顔が恐怖の対象というものだと、やりたい放題のハッピースラッシャーものを想像しがちだが、テイストはリングやらせんの様なJホラーっぽいリアルサスペンスもので、本国以外では結構珍しいタイプのホラーなのでは。
近頃、「リングみたいなホラーを期待していた」「あの頃のホラーは良かった」などという声を聞くし、僕もちょくちょく言ってしまうのだが、そんな方に見て欲しい一作だ。
今作でより感じたのは、ホラーは低予算であるべきだということで、この制約があるからこそ陰湿で根源的な恐怖が生まれるんだと思う。
それこそ今作のキーとなる""笑顔""。
生活していると必ず見る人間の表情で、この表情が安心感を与えてくれるし、自ら幸せな気持ちに包まれる表情。
それを今作は見事にひっくり返すもので最高にビックリさせられた。
めちゃくちゃ良かったし、これだからこそホラーはやめられない。
次はどんな概念をひっくり返されるのか、楽しみで仕方がない。
