このレビューはネタバレを含みます
精神科医のローズは、患者の凄惨な自殺を目撃して以来、幻覚と幻聴に悩まされている。あの“笑顔”が、頭にこびりついて離れない――。
ローズが一番怖い。幻覚に苦しんでいるのはわかるけど、それにしても言動が直情的で自分勝手。彼女が次に何を仕出かすか予測できなくてハラハラする。作品を象徴する“笑顔”よりも、そちらの方が印象に残ってしまったのは少し残念。
また、「呪い」を解明するサスペンス要素についても、情緒不安定すぎる主人公との相性が悪くて不完全燃焼。初めから刑事メインでストーリー展開した方が良かったのでは。
期待していた方向性とは異なったが、それでもショッキングな演出と音楽にかけては一級品と言える。カルトドラマ『ユートピア』('13-'14)で知られるCristobal Tapia de Veerの手掛けたノイジーな劇伴は、ホラーと相性ピッタリ。
