てっちゃん

スマイルのてっちゃんのレビュー・感想・評価

スマイル(2022年製作の映画)
3.9
コロナ休養をとっていた都合で、少し体調が良くなったら映画を観て過ごしていました。
そんな訳でコロナ休養1本目がこちらです。

SNS宣伝がとても上手くいっていたよねという印象と、スマイルでホラー?という異質な組み合わせがすごくぞくぞくしていたのです。

しかしながら劇場公開されない、配信だけということで、まだかまだかと配信を待ち望んでいたわけなのです。
ついにきた!と思いましたが、異様に時間がない最近なのでなかなか手がつけられず、、ってときにコロナになったので、ここだ!と思って、コロナ休養映画鑑賞という過ごし方をしたのです。

さて本作ですが、ぱっと思い浮かぶのは"イット・フォローズ"だなと思いました。
でもそれよりも、より現実的な感じがする、より恐怖を感じるなと思いました。

ここぞ!という箇所で、スマイルが効いてくるあたり憎いですねとなるし(スマイルを多用しないとこも憎いですね。ここぞという箇所でどん!と出してくるので効果抜群)、ジャンプスケアもきちんともってくるし、怪奇の謎がどんどんと膨らんでいくところが最高であり(主人公がその謎を追っていくところが最高じゃないですか)、主人公演じるソシー・ベーコンさん(父があのケヴィン・ベーコンさん!)が素晴らしいですね!主人公のさまざまな心の変異の表現が素晴らしいんです。

本作は最後まで、核心的な謎の部分についての正体は解き明かされません。
とは言え、その側面的な部分は分かっていくので、もやもや感がないわけではないですが、なにも分からねえってことはありません。
寧ろそこで止めておいてくれるのが心地よいというか、そこの余韻がいいんですよね。

あと少しでだけ。
スマイルと死を結びつける意味とは?と考えましたが、私はスマイルが見てしまった人は、その人の裏の部分と対峙させる意味合いがあったのではないかと感じました。
裏の部分は誰もが持つものではありますが、スマイルを見てしまうと、それがより顕著になるのではないか。

スマイルを見てしまい、心の奥底に眠っていたものが目覚めたと考えてみました。
それは本来、表には出てこない部分ではありますが、嫉妬、嫉み、憧れ、劣等感といったものは一旦出てくるとなかなか収めることができません。

そんなことをぼんやりと考えていたけど、そんな理由を求めても全く意味がわからない箇所が多く、謎は謎のままでした、という結論に落ち着くという無駄な思考を見せつけてやりました。

私の勘は全く当てになりませんが、なんかこの監督さんどんどん化けていくぞ!という気配しか感じませんでした。
その勘を信じて、次作も楽しみに待ちたいですし、本作みたいな作品こそ劇場で観たいよなとも思いましたとさ。
てっちゃん

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