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スマイルのkureaのネタバレレビュー・内容・結末

スマイル(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

笑顔って良いものとして
表現されることが大半だから
これが恐怖の対象として表現されて
そしてその"スマイル"が
死を連鎖させる恐怖っていうのがより怖い。
だけど今でもなかなか理解され難い
精神障害の難しさも
この恐怖を通して表現されているような
印象も受けました。
あんなのが日常的に見えまくってたら
そりゃ日常生活に支障きたすし
まともに日々を過ごすどころじゃない。
しかもそれから逃れるためには
人殺すしかないとか
死でしか解決できないみたいなのも
胸糞悪いし
他に方法ないの?って
モヤモヤしたー。

何よりラストの
実家で進撃の巨人みたいな
亡くなった方々が見てきた
ヤツの招待を実家ごと燃やして
やっと連鎖から抜け出せたか思ったら
まさかのそれさえ幻覚で
結局彼女も元恋人の前で
笑顔で燃え死ぬ結末。
結局また連鎖が続いていきそうで
続編も期待できそうなラストも
最後の最後まで胸糞悪い終わり方だった。

けどみんな笑顔で死んでくのにも
意味があって
それは私がこの映画を見た
知り合いに聞いた話ではあるけど
精神障害が
絡められたところにもよるように
精神を病んだ人々さえも
無理やり笑顔にしているような
社会のあり方が表現されているのだそう。
思えば劇中にもローズが
お姉さんの息子の誕生日会に行く前
鏡の前で笑顔を作る練習をしてたな
とか思った。
そしてそこでも現れた幻覚によって
取り乱してしまったローズを見る
お姉さんや周囲の視線。
そういった部分は
この映画が伝えたかったとされる
現代でもまだ根強い
精神障害に対する難しさと
冷たい社会のあり方が
表されているのかなと思った。
思えば精神障害の有無関係なく
普段の日常や社会生活を営む中でも
笑えないけど
その場に合わせて作り笑顔をする
そういう場面もあるよね。

こうして他の人とも
この映画の話をした後
作品に対する怖かったとかと別に
人々に作り笑顔をさせるような
社会のあり方も考えさせられた。

この映画、本編の前日譚もあるそうで
そちらはローズの目の前で
首を切ったローラのお話らしいですね。
そっちも気になるから観たいな。
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