とても好きな映画です。
一見すると普通のホラー映画なんだけど、実はとても深いというか、人の心の奥深いところに触れる繊細な作りになっています。
効果的な音響とショッキングな映像の使い方で王道的に怖がらせにくるとともに、心のひだにチクチクと触れてくる絶妙な怖さも有しているため視聴後、ドヨヨーンと引きずります。そう、まさにこの映画のメインテーマである「トラウマ」を与えられます。
トラウマとはなんぞやはもちろん、自分は己のトラウマと対峙できているのだろうか、克服できているのだろうか、などあれこれ考えさせられます。
主役であるローズの『なぜ私なの？』という問いに映画の影の主役氏は言います『お前に入り込む隙があるからだ』と。
○○の直前に皆が笑顔なのは「トラウマと一体になれたから」「ようやくトラウマを克服できたから」のメタファーなのだろう。
精神科医の斎藤環先生は『トラウマに最も効果的なのは、そのトラウマ経験を何度も語り直し希薄化すること』と語っておられる。
『暗黒時代を笑い話に変える』とよく言うけど、トラウマと向き合って笑いに変える、自身のトラウマを笑えるようになる、それこそが唯一無二のトラウマ解消法なんだと思うし、この映画もそのことを伝えたかったのかなと勝手に思っています。
