熊犬

スマイルの熊犬のレビュー・感想・評価

スマイル(2022年製作の映画)
3.7
【世界の共通言語は、英語じゃなくて笑顔だと思う(悪)】

原題:Smile

精神科医のローズは、ある日患者の自殺を目の前で目撃してしまう。
不気味な笑顔を見せながらローズの目の前で首を切るという凄惨な自殺した大学生のローラ…彼女は以前教授の凄惨な自殺を目撃してしまい、それ以来不気味な笑顔を浮かべる人間の姿をした「何か」の存在に悩まされていた。
そしてそれ以降、ローズの周りにも不気味な笑顔の幻覚が見え始める…この「何か」の謎を解き明かし、ローズは自らの自殺を防ぐことが出来るのか…?
…な映画。

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本国では尖った宣伝方法が話題をかっさらい、興行的にも大ヒットした本作。
日本では何故か配信のみ…それはちょっと酷くないか?

まあそれはともかく…

ストーリーはある種の王道、伝染する恐怖存在系ホラー。
それでも尚、この映画を一級のホラーに押し上げている要素…

一つ目はやっぱり主題であるスマイル。
笑顔が逆に不気味で怖いって、まあ別段新しい手法でもないとは思うんだけど。それでもこの映画においてはかなり怖い。笑ってない目に限界まで口角を上げて…じゃ、邪悪!完成度が高いぜ。
さらに言うと、その状態のまま凄惨な死を見させられると、もう他には無い何かの完成ですよ。これは素晴らしい。

二つ目は、外し方の上手さ。なんだろう、タイミングが絶妙に怖い。これは監督の腕がいいんだと思うけど、絶妙にタイミングが外されたジャンプスケアを仕掛けてくるんですよ。油断を誘うのが上手いのか…ジャンプスケアという手法の完成された姿。単純だけどビビらざるを得ない。白状すると、予告編でさえ声上げてビビった。

他には、周りの人の優しさが凄く嫌な感じに働いてて、精神患者に対する扱いを精神科医がもろに食らう感じとか、いい意味で凄い嫌な構成。
あとは、この「何か」が持つえげつない特性というかルールが、もう悪意の塊。
もろもろ一級品の純正ホラー、堪能させて頂きました!

■本日のビール『Noa Pecan Mud Cake』
醸造所:Omnipollo (スウェーデン)
可愛いにこちゃんマークが特徴のボトルで大人気のビール。邪悪な笑顔を打ち消す為にも、可愛い笑顔で一杯。
しかし中身は度数11%の濃厚スタウト。甘くて濃厚なチョコレートナッツケーキで、ガチ酔いするのは、果たして邪悪なのか癒しなのか…
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