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あつい胸さわぎのmasaのレビュー・感想・評価

あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)
4.3
先日の東京国際映画祭2022の先行上映にて。
これほど重いテーマなのに、暗くならず、逆にクスクス笑えるシーンもたくさんあり、何か、力をもらえました。人を勇気付けられる作品でとてもよかった。
ラストシーンは本当に最高。
なかなかこういうテーマで進行していくとどうしても深刻になってしまいがちだが、演劇の原作が素晴らしいのだと思うけど、全く暗くなく明るい。

初恋に胸を躍らせる少女が突如発覚した若年性乳がんと向き合う姿をテーマに、久々の恋に胸を高鳴らせる母との複雑な親子の葛藤を、優しく繊細にユーモアをもって描いた物語。

登場人物にター坊という、ちょっと頭の弱い主人公の幼なじみが出てくるのだけど、このター坊の存在が最高にいい。これによって最高のラストシーンに、つながるのだけど。このシーンは何回でも見たい。

舞台版には出てこないみたいですけど、監督はター坊は自分なんですと、ター坊を、通じて主人公を応援したかったと舞台挨拶で言っていたのが印象に残った。

主人公のの吉田美月喜さん、太陽のように明るい母親役の常磐貴子さん、友達で姉のような前田あっちゃん、それぞれ役にはまっていて素晴らしかった。そして脇役の人たちも超はまっていた。
最近観た邦画の中では、トップクラスに心に刺さりました。

とりあえず、主人公を全力で応援したい。そういう気持ちになれた。
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