ただの恋愛物語ではない。また主人公はゲイでありそれ故の苦悩はあるが、決してそれは主題ではない。ではどういう作品なのか？
人生の、最も記憶に残るであろう季節を描いた作品と捉える。原作はエッセイスト高山真の同名タイトルの自伝的小説。
自然に映し出される日常の風景と、そこから伝わるささやかな幸福感。心地の良い時間が過ぎて行くがこの映画のタイトルは「エゴイスト」。どこかで恣意的な行動が見られるのか？
しかしこの作品の主要登場人物は基本的に自己中心的な振る舞いは見られない。
それでは何故このタイトルなのか？相手を思いやる行動は自分の為でもあるからエゴイスティックであり、しかしそう感じさせないのはそれ以上に相手を思いやる利他的とも言えそうな愛があるから、という捉え方で良いのか？
そしてエゴイスティックだから自分の関わりを強く感じてしまい謝らなくて良いところで謝ってしまうのだろうか？悪いのは自分のせいと…
そんな考えを巡らせて迎えたラストシーン。そこでタイトルの意味を理解する。そしてそこに深く広い愛を感じた時に映し出されるタイトルバック…
僕は只々涙しながらエンドロールを見つめていた…
傑作。
鈴木亮平は姐さん系のゲイを演じたが凄く自然で改めて凄い俳優と評価！宮沢氷魚も良かったけど、驚いたのは阿川佐和子！あんな自然な演技が出来るなんて素晴らしい👏👏
