Aya

エゴイストのAyaのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.2
#twcn

エゴイストってタイトルぴったりよね。

わたし前情報シャットダウン過激派なので予告はおろかチラシもポスターもぼんやりとしか見ないし見たい映画のタイトルすらまともに言えないのが常。

今予告(特報)見てみたら『与えることで満たされてゆくこの愛は身勝手ですか?』

って女性のナレーションが入ってましたね。

身勝手ですね。
相手が望まなければ。

では相手が望めば?
相互関係になるのでそれはwin winの関係です。
身勝手ではありません。

ではこのふたりはどうだったのか⁇
後者だよ完全に。
途中からと、途中までは。

だってさ、鈴木亮平さんが宮沢氷魚くんにお金を渡したからa.k.a稼いでるからふたりの関係が続き、氷魚くんのお母さんとの関係が築けたわけで…って考えるとやはり『搾取する側の人間』映画感をビンビンに感じて気持ち悪過ぎる…

とくに『その子ゲイなんでしょ?』って聞いてトレーニングを依頼したりトレーニング中にスポーツトレーナー相手に顔がいいとか言ったり…まんまキャバクラ感覚やん。

それに慣れてる宮沢氷魚くんめっちゃ可哀想に思えてきてさ…あんなんセクハラやん。
これが同性じゃなくて異性なら??
なんで性的指向が同じ同性同士やと鈴木亮平さんのセクハラ発言をアプローチみたいにな描き方してんの??

気持ち悪過ぎるしスポーツトレーナーというお仕事をされている方に失礼じゃない??

そりゃわたしは男性でもゲイでもないヘテロの女性だし運動音痴だから分からないけどさ…

そんな金持ち顧客のキモいセクハラを受ける氷魚くんがあれを嫌と思ってなくて好きでやってるなら夜の職業と変わりないやん。

これが演出なら彼がいう"夜の仕事"は向いてたんでしょうね。

しかし鈴木亮平さんを好きになってしまったことで今まで普通に出来ていたことができなくなった、って解釈でいいのかな??

てかこの子、なんでスポーツトレーナーなんで込み入った仕事したいの?経験者でもないのに…

ってならない⁈
その辺謎すぎる…だって本業をトレーナーとして頑張っていきたいから併用してのバイトとか含めて暮らしがカツカツなんやろ??

トレーナーやらなければ違う仕事ができて母ちゃん養えるかもならその夢を諦められない理由はいるのでは??

意味がわからない…てかそのバイトで得たお金で母ちゃんとの普通の生活+車なくても生きていけるようなTOKYOの街でわざわざ運転免許取ったりしてるやん。

『仕事に役立つかと思って』って。

いや、スポーツトレーナーになりたいんやろ?!だったら免許よりその金で最初からトレーナーになるための講座や講習とか受けられるんちゃうの??
そして免許取ったなら取ったで長距離トラックとか乗れやw

明らかに宮沢氷魚くん演じる『隆太』という役はお金に困っている。

雨の日にちょっとコンビニで傘を買ってから仕事に行く、ということすら出来ず濡れたまま走ってくる。

と思うとあの伏線のためだけに『免許を持っている龍太』という要素をプラスしたかっただけという無理やり感が凄くてキャラクター像の形成より『映画の展開的に入れときますか!』感が強くて…

観客ナメてるのか龍太をナメてるのかそもそも映画自体をナメて作ってるのか…

お金に関しては『当人たちが納得しているならいい』と思います。
だって結婚したら生活費も共有やし相手の親も面倒見るのと一緒やん。

彼らが結婚してないだけで内縁関係になるにはちょっとお互いズドーン!と恋に落ちすぎている時期やから早い早いw

そしてもうひとつ強く思ったのは『病院に相談して』です。

わたしは病院で働いているのですが業務内容はちょっと説明しにくいんですけど🏥内のなんでも屋さんなんですよw

以前は医療事務をしていたので手術、入院、通院、リハビリなどに大体どのくらいのお金がかかるのか分かります。

鈴木亮平さん知らへんにやろうなぁ…だからいちいち金とか渡してくるんやろうなぁ…

お母さんが言ってた『自分が病気して息子が高校中退して働き始めた』って話…こんなの今時ある?!?!

高校生の子を持つ働けないほどの病気を抱えたシングルマザーにCMやMSWがつかないなんてことある⁇

だってご家族が未成年の子供しかいないなら意思決定できる家族として認められないやん。その場合親御さんなど他の成人している親族を探さなきゃなるないし、いなかったら後見人制度も視野にはいつてくるし(これはかなり稀ですが)

生活状況を把握するのにお話聞くし、そもそもオカンがもし入院とかしてるならその未成年の子供はどうやって生活するの⁇って話しないわけないし、それが患者a.k.aオカンの心配やストレスになり得る=病状に影響し兼ねない。

何もしないなんてあり得ない。

控除、公費、申請etc...そういうのを担うのがMSWです。医療事務です。先生の診断書です!!!
書いて。゚(゚´Д`゚)゚。(あ、すみません仕事の愚痴ですw)

あ、でも、わかんない…
わたし地方に住んでるからTOKYOの病院てそんな馬鹿で患者や患者家族を無視して右から左な感じなの??

あ、でも逆にもっと田舎の雑なドクターとかはヘルニアをレントゲンだけで判断してMRI撮らんと手術するって…ありえるかもwww

いや冗談であり得なくない??いや分かんなくなってきた…1回だけある!!
撮ったのは撮ったのですが、レントゲンの画面だけ確認して託さないとMR画像も技師先生の報告書も見ないドクターいたわ!!

大小様々な病院やクリニックで仕事したり監査も含めて見てきたけど…色々あるわww
言えないけど。

でもMRI検査してたら後々発覚するソノソレに気づかないなんてどっちにしろ訴訟レベルのヤブ医者だから運悪いんでしょうね…

そもそも母ちゃんなんの病気やったんよww
部屋に薬はないし(普通冷蔵庫とかに貼ってない?)ヘルニアになったババアあんな高い位置にある電子レンジ使ってんの??

ヘルパーの介入もなく毎日料理してんの??
元気やん。

LoL

いや、あの、ロケ地のセッティングなんかのコーディネーターや居住空間の監修もいなかったのかな??

いかにも『貧困層なアパート借りてきました!』『貧困層なセットの狭い部屋作りました!』って仕事の匂いしかしない。

しかもこのババアの良さそうなこと言ってるけどあの2人の関係に言及する言い方めっちゃキモいし、味噌買いに行かせた時に話あるのかと思ったのにw

あれかな?
わざとニュートラルに描いたのかな。

『日本人はこんなにジェンダーやクィアや同性愛に対する知識もないしめっちゃ遅れてるんですよ!』

って。
だとしたら気骨を感じるw

外国に比べて日本が遅れてるの??
それとも日本映画が遅れてるの⁇

あ、話戻します。

"このお母さんは子どもが高校中退するほどの病気です"という説得力が無さ過ぎる。

しかも病院の描写も酷くて。゚(゚´Д`゚)゚。

ご家族じゃない誰かわかんないやつにみんな色々教えすぎだろコンプラァ!!!
どんなザル病院だよ!!

あんなの一発アウトやろ…その人がストーカーやったりDV夫やったらどうすんのよ…どんな危機感ないんだよその病院顔見知りしかいない田舎かよ。゚(゚´Д`゚)゚。

てかわざわざ病院でロケしてるのに何も言われなかったのかな⁇
聞かなかったのかな⁇

クレジットには医療や食事マナーなどの監修のお名前も項もなかったもんね…

いや、これ考えれば考えるほど罪重いと思ってて。

だってそういう仕事ではないにも関わらず『不適切な演出によって病院・医療関係者は著しくイメージを低下させられた』とさえ解釈できる。
名誉毀損だろバカヤロウ…

こういうのはできる演出家や監督もいるじゃないですか⁇
でもできない監督や演出家もいて当たり前やと思います。
できない/分からないならプロに聞けばよくね??

もうひとつはキャラクター描写ですよね。

鈴木亮平さん演じる浩輔は劇中何度も『服は鎧だ』と言います。

そしてお部屋のインテリアも完璧。

まぁ、リビングのすぐ横にベッドがあってクローゼットとシャワーだけメゾネットの上にあるという導線がよく分からないアパートではあるのですが…

キッチン周辺の収納棚は全て中身が見えない扉に隠されシンク周辺に洗った食器置き場もないからすぐ拭いて仕舞うんでしょうね。
(コレがあるから後半のタッパーが効いてくる)

コーヒーはサイフォン。コーヒーカップは2客セットで持ってない。
1番陽当たりのいいダイニングのテーブルもチェアーも凝ったデザイン(ダサいけど)だかチェアーは一脚のみ。

これが意味することは分かるよね??
この部屋には一緒にコーヒーを飲む人もダイニングでご飯を食べる人も来ない。来させる気がない。

アートや照明も好き。

最初はよお『稼いでるねん俺』とか言うから投資かな?と思ったのですが、だったらカバーかけるしあんな日の当たるところに油画は飾らないから趣味なんでしょうね。

そして所作。
シャンパンはおろかグラスにもこだわり麦茶を飲む指先も綺麗。

にも関わらず吹き出す食事シーンのチグハグさww

たぶん鈴木亮平さんがお茶碗を綺麗に持つならタイミングは後半のお母さんとの食事シーンか宮沢氷魚くんとラブラブになってからの食事シーンだよね。

そうすれば初めてお邪魔した恋人の親との食事や実の父親との食事のときにあの持ち方でも"わざと男っぽく見せようと気を張っている"ことに説得力が持てるし、逆に2人の愛するひとの前では"所作に気を遣わない鎧を脱いだ浩輔"を見せる機会だったのでは??

監督や演出は素人だから…って言うならきちんと監修をつけないとわたしも素人なのにそれ見た瞬間に『あれ?浩輔ってどうゆうひとなんやろう?』と疑問がうまれて物語に集中できないんだよ…

こういう一個一個がいきなり画面に映ると今までこうかな?と考えていたキャラクターのことがいきなり分からなくなるんだよ…

食事シーンのあの持ち方は完全に『鈴木亮平』でしかなく一気にテンションが下がる…

食事のシーン多い映画なのになんて観客を混乱させるタイミングが随所に散りばめられてるんだよ…持ち方ひとつで彼の人柄を語れるのに『ダメだこりゃ』と思わせられる観客の身にもなれよ。

てか監督や演出はプロじゃねぇのかよ…

そこんとこちゃんと描かないなら物語への没入感を阻害するから邪魔やしよりキャラクターへの理解力が阻害され意味がわからなくなる。

普通に手腕が足りないしお金が足りなかったのかな⁇
テアトルですしね…だったら責めるべきは監督や演出、脚本家ですね。

2人の距離の縮め方はすごく不審やったし不安もあったんだ…だって浩輔はキャバクラで若い女の子に手を出すおっさんと同じ下衆なんやもん。

でも徐々にいちいちお土産持たせたり健康気遣った親戚のおばちゃん感が強くてめちゃ笑ったww
わたしやんww

そして特筆すべき2人のSEXシーンは超良かった!!
分かる人には分かる…最初にえっ?!という意外性を持たせてからの〜ソッチもあり?!という…うう(T ^ T)

わたしは可能性は多い方が良い人なのでグッときたし単純にみてて楽しかったです。

バスローブの件は複雑やけどハンドクリームを塗る鈴木亮平さんはきゃわいいの❤️

2人の体格の違いと肌の色の違いがなんとも艶かしくて…あれなのかな⁇人種で肌の色が違うSEXシーン見たときもここまで上がらなかったので、なんか、グッときた。
こんなコントラストが楽しめるなんて✨

宮沢氷魚くんはわたし多分"his"しか観てなかったのかな??
いわゆる"ハンサム"系ではないけど"愛嬌"系のかわいさ〜。
いいね…

ただ彼については結構疑ってる時間が長くて醜いオヤジの言う『Pureなの』かどうか確信を持てなかった。

特にある秘密を告げられ龍太に会えなくなった浩輔。
スマホ片手にイライラしてる時に龍太の夜の仕事のカットが挟まるのが"龍太の話"なのか"浩輔の妄想"なのか分かりづらくてどうとっていいのか…

前者なら特に何もないけど、後者なら龍太に希望が持てるから意味が違ってくるしその辺の描き分けとか出来なかったのかな…

きっとエゴイストの彼は幸せになれないでしょうね…
いや、分かんない…

龍太が変わったように浩輔も変わるかも?!
その辺も『母親映画』なのか『恋人映画』なのかどちらの比重も宙ぶらりんで…

やっぱり腕は足りないなぁ、と思いました。

キャストや演技がいいだけに作り手の足りない部分(金か知識かやる気かポテンションか)は知らないけど傑作とは言えないし良作とも言えない。

か、私が分かってないだけなのかな?

期待してただけに…しょぼん(´・ω・`)

Aya

Aya