Kin

エゴイストのKinのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.7
【注意】映画館では前の方のシートでは観ないことをお勧めします。ドキュメンタリーっぽく撮っているので画面が人の顔から顔を移動が頻繁で酔います。途中から焦点を外しながら観てたので集中力できず残念…。後ろの方のシートの方が楽しめるかも。

まずは鈴木亮平の演技とも言えない自然な演技に脱帽。私含めて、その辺りに居そうなゲイそのものです。そして仲間内の会話もそのまんまで見事。初めて結ばれた日に浩輔が歌い踊るマイフェイバリットちあきなおみの名曲『夜を急ぐ人へ』で大爆笑。完全に我々です。

題名の『エゴイスト』がピンと来ないほど愛だと思った。これはゲイやレズビアン他様々な人々や男女の恋愛問わずに置き換えても普通にある物語です。

一番泣いたところは阿川佐和子演じる母親が浩輔に謝らないでと言っても浩輔が謝り続けてしまうところ。そして息子の龍太も謝り続けてたと母親が言うところ。そう我々は昔からひとを好きになっただけなのに、その事が家族や周りを傷つけてしまう、もしくはいけない事をしてるという疾しさから謝ってしまうのです。謝らないでの言葉に許された気がして涙が止まらなかった。ありがとう。

そして柄本明扮する浩輔の父が自分達夫婦についてボソボソと語る『出逢っちゃたんだからしょうがない…』。まさに皆そうだよね。

もう一回映画館の後ろの方の席でじっくり観よう。
Kin

Kin