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エゴイストのAのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

情報解禁されてからずっとずっと楽しみにしていた本作、やっと観られました

大好きな俳優さんお二人が共演されるという事で楽しみにしていたけれど、鑑賞して浩輔と龍太を形にするのは鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんだったのだと答え合わせが出来た感覚

とても真摯に、大切に演じてくれていて、役の息遣いが感じられました、、


本当に良かった、すごく美しい映画でした
一つひとつのシーンが、台詞が、2人の愛や人柄を丁寧に紡いでいてとても大切にしたくなる

こういう作品っていつの間に好き同士になっていてよくわからないまま大切な人として描かれている事が多いので、登場人物の感情が揺さぶられていても鑑賞している側はそう思わされているだけ、みたいな感覚になるんだけれど
本作は「愛しさが膨らんでいく」様が感じられて
だからこそ龍太がすごく可愛らしいし浩輔の愛に嫌味がない


母親へ自分が出来なかった事を龍太を通して叶えようとするエゴイスト
愛の伝え方や扱い方がわからず、お金や物で形にする事で自分は人を愛せていると思いたいエゴイスト
他人の人生を変えるものだとわかりながら、正しさを振りかざすようにして救った気になるエゴイスト

確かにエゴと紙一重なのかもしれないけれど、それは浩輔なりの精一杯の愛だったと痛いほどに伝わって
その愛の不器用さ、深さ、優しさは確かにひとつの家族を救っていたししっかりと伝わっていたんだよね

それを愛として受け取った人がいたのだから、間違いなく愛だった


龍太が「俺なにも持ってないからさ、」と自分を売る仕事に後ろめたさと劣等感を抱いているのも
そういう仕事をマイナスなイメージでやっていない人もいるけど龍太にとっては少なからず苦しいものになってしまっていて、そこから引っ張り出してくれた浩輔がどれほど絶対的だったか

知った上で一緒に生きて行く事を選ぶのも、お金を援助するのも、お母さんに言える仕事をさせてあげるのも、きっと生半可な気持ちでできる事じゃ無いから
浩輔は自分のせいだと何度も自責していたけど、きっとその愛は龍太を救っていたんだろうな


ちなみにハンドクリームのシーンがとってもお気に入り
愛だ、、!

全てのシーンに浩輔と龍太とお母さんの愛が、想いが、感情が詰まっていて、とても大切に作られたことがわかる作品。うれしいです、、


全て逃さず大切にしたかったのに、上映中の途中退席・離席が多くてなんとも、、
劇場を出た後は感情と思考が溢れ掻き乱れてしばらく日常に戻れず立ち尽くしてしまった


【追記】
私も「月20万円」だと思ってた、、!
正しくは「月に10万円」だと公式さんがツイートされてますね
20万あればそこまで無理して働かなくても生活できるのでは?と思っていたけど、10万円なら納得がいく
「水揚げしてあげるからこの仕事辞めてくれ」ってエゴじゃなく、「自分の力で立てるようになるまで応援する」っていう愛なんだ、、
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