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エゴイストのmakoのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
3.9
《与えることで満たされてゆく、この愛は身勝手ですか?》
◎79点

原作は高山真の自伝的小説「エゴイスト」。
監督は松永大司(『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』)。

【あらすじ】
浩輔(鈴木亮平)はゲイで、東京の出版社でファッション誌の編集者として働き、自由な日々を送っている。
そんな彼が出会ったのは、シングルマザーである母を支えながら暮らす、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)。惹かれあった2人は、時に龍太の母も交えながら満ち足りた時間を重ねていく。


エゴイストとは…1 利己的な人。利己主義者。
2 エゴイズムを信奉する人。主我主義者。唯我(ゆいが)論者。


恋をすれば大抵の人はエゴイストになるんじゃないかな。
好きな人が困っていたら助けたいと思うし、この人の為ならと自己犠牲を厭わない(いとわない)。

私は好きな人の喜ぶ事、喜ぶ顔が見たいから、相手に合わせることが多々あるし、過去お金を貸したこともある(全額返してもらったけどね笑)。

本作ではゲイの恋愛物ですが、異性でも有り得るし、性別は関係ないと思いました。
惹かれあい、恋に落ちる。
普遍的なもの。

付き合っていくうちに相手を喜ばせたい、助けたいと思うことが出てくるが、相手はそれをどう思うか。良かれと思ってやった事が困らせたり負担になってないか考えなきゃいけないんじゃないかと思った。
浩輔が龍太を想う気持ち、愛しているのは伝わったが、それ以上にエゴイストだなと、とも思いました。
龍太を支えたい気持ちは分かるけどお金に物を言わせているようにも感じた。
タイトルそのもののように感じました。

共感できる部分とできない部分がありましたが、愛なんて何が正解とかないので自分が満足ならそれでいいんじゃないかな。

二人の愛し合うシーンは結構激しめで驚いた。リアリティがありました。
映像面で、接写というか顔のアップが多いのが気になりました。
映像が奇麗目で、ドキュメンタリー風に見えました。

鈴木亮平さんのゲイ役、上手い!
仕草、話し方など、実在する人のようで最初そこ鈴木亮平さんだ、と思ったけどその後は浩輔として観ました。
宮沢氷魚さんは以前『his』でも同じような役をやっててそれを思い出しました。
龍太の母親役の阿川佐和子さんの演技も良かったです。
ナチュラルメイクで普通のお母さんに見えました😊



観客 25人
劇場鑑賞 #19
2023 #21
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