鎌谷ミキ

エゴイストの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.6
【僕は愛がなんなのかよくわからないです】

[あらすじ]ネット版
田舎町でゲイであることを隠して思春期を過ごしてきた浩輔(鈴木亮平)大人になり上京した彼は、母(阿川佐和子)を支えながら働く青年・龍太(宮沢 氷魚)と出会う。やがて2人は惹かれ合い、時には龍太の母も交えながら、親密な時間を過ごしていく。

[レビュー]
ひっさびさに最新作を家で観た!ながーい夏休みも終わったので、しっとりとした一本を。これは!!年間ベストを変動させる作品出てきたー。

ラストがめっちゃよかったので、レンタル期間に後半を2回観ましたー。上手いなぁ。。。。

松永大司監督、初めまして。さらに、原作が高山真さんの自伝小説ということで。テイストが定まらないんですが、私は好きな感じでした。画面酔いなかったな、私…

…感想が定まらないので、原作との比較記事(https://www.trivia-click.com/egoist-novel/ )を読んだんですが…浩輔もとい高山さんの一部分しか描かれていない(何作も連なったエッセイではないので当然ですが)ことに衝撃を受けました。設定は映画用に少し変えて、ほぼほぼ原作通りの流れのようです。

R-15となったセックスシーンの必然性、前半と後半で違う雰囲気の作風、そして浩輔に問われる〈エゴイスト〉とは?これが作品の魅力になっていると思います。とても考えさせられます。

私ごとで。車出してくれたらお車代もしくはドリンクを奢る。気持ちをお金にすることはよくします(彼氏彼女はまた別なので省略)
寿退社の時に菓子折りを奮発して、施設長からポケットマネーのご祝儀をもらったのもココだけの話(立つ鳥跡を濁さずと母に念を押されたのもある)
そうすると、浩輔がしていることって同じではないんでしょうか?違いますか(ネタバレ)

本作って実はシングルファーザーの子と、シングルマザーの子のゲイカップルの話なんですね。そこがポイントで、これは性別関係なくおきる"感情"であること。

「アナタはエゴイストですか?」私も少しは同じ気持ちだから、イエスといいますね。

鈴木亮平さんの喜怒哀楽を表情で感じるシーン、宮沢氷魚くんの素直な性格を感じるシーン、頻度少なめながらシングルファーザーの柄本明さん、そしてそして阿川佐和子さんのシングルマザーがとにかく、いいんです。
鎌谷ミキ

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