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マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説のBaadのレビュー・感想・評価

2.5
ドキュメンターリーとしてみたら、使用した過去の映像が良いだけでなんの工夫も感じられないのが残念なのですが、知らないことが多かったのでためになりました。

特にマリー・クワントの化粧品が、服に合うメイクのできる化粧品がないのでモデルの女性が舞台用の化粧品を使うのをみてマリー自らが開発したものだった、というのは驚きでした。
物心ついた頃にはマリーのデザインのドレスも化粧品も全て存在していたので、誰が最初に作ったか、というのはミニスカート以外は知らなかったので・・・

もう一つ、とても感心したことがあって、デザイナーとして店出しする前と思われる若い頃の写真でもマリーのセータなどの着こなしがとてもこなれていたこと。造形する力もあったけれど、それ以前にユーザーとしてとても優れた人だったんですね。

マリーを讃えるために比較にクレージュを出したり50年代のオートクチュールを見せたりしていましたが、オートクチュール的なファッションが庶民の手に届かないなんてことは全然なくって、同じようなシルエットの服を自分で縫ったりオーダーメードでお手頃な値段で仕立ててもらったりできる技術を持つ人が多くいた時代なのですから・・・

おそらく業界の事情には疎い人が撮ったちょっと舌足らずなドキュメントだと思いました。どういう経緯で制作された映画かはわからないのですが、もう少し力のあるスタッフを起用して欲しかったと思います。
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