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マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説のkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説 』
原題 Quant
映倫区分 G
製作年 2021年。上映時間 90分。
ザ・ビートルズやツイッギーらと並んで1960年代スウィンギング・ロンドンのムーブメントを牽引した伝説のデザイナー、マリー・クワントに迫ったドキュメンタリー。
ファッションモデルのケイト・モス、デザイナーのビビアン・ウエストウッド、ザ・フーのピート・タウンゼントらが出演。ロンドン出身の俳優サディ・フロストが監督を務めた。

戦争の爪痕と階級差別が残るロンドンで、若者たちは自由を求めていた。
1955年、それまでの優雅で女性らしいファッションに窮屈さを感じていたマリー・クワントは、夫アレキサンダー・プランケット・グリーンらとともに、自分が着たい服をクリエイトした小さなブティック『BAZAAR』をチェルシーのキングス・ロードにオープンする。
彼女がデザインした服は開店直後から奪い合いとなり、60年代初頭にはミニスカートが世界中で大ブームに。
ファッションに革命を起こしたマリー・クワントの知られざる素顔とデザインの秘密を、当時の熱狂を知る人々へのインタビューやアーカイブ映像を通してひも解いていく。

曲がり形にも、小生はモノをデザインし販売する身。
面白く、そして刺激的な作品でした。

Mary Quant(マリークワント)は、イギリスで生まれた同名のデザイナーによって誕生したファッションブランド。
そないなんに興味無しの方でも必ず目にはしてるんじゃないかなぁ。
小生も似合わず筆箱を持ってる(部屋用)。
高級ラインではないないが、カワイイで云えば最上位かな。
また、Mary Quantの商品はMary Quantでしか買えない(ドンキなどの量販店には置いていない、ただ、メルカリなどではused名目で売っているが)さかい、本当に好きな方しか持たないブランドだと思います。
そして、現在は微妙という意見があるが、微妙ならば、今人気のムック本が出るはずがない。
マリークワントのムック本かなり売り上げがあったときく。
ただ、現在(90年代以降)、ほぼ日本ブランド化になっていて、基本的に、日本以外の国には存在してない。
1960年代に大ブレイクしたブランドだが、誕生から半世紀以上経った現在でも、女子を中心とした幅広い年代の女性に愛されてる。
このブランドを生み出したマリー・クワントは、ミニスカートやカラフルタイツ、ホットパンツを考案したなんて蘊蓄も知られてる。
こうしたアイテムは、時を越えた現代でも多くの女子に愛されるとこやろし、まさにファッション界を代表する人物と云っても過言ではないんちゃうかな。
そんな彼女が立ち上げたMary Quantのブランドロゴマークは、黒く小さな花をデザインしたもの。
これは、マリー・クワント自身の落書きによって生まれたものだそうで、

科学の力では生み出すことのできない黒い花をシンボルマークにすることによって、発想の自由や固定概念を打破したアイデアを生み出す

なんて崇高な意味を込めているんだそうだが、後付けは否めないかな。
また、黒と白で光輝くダイヤモンドを表していると云われてて、小さくてもキラリと光るアイデアを生み出す、世界でたった一つの価値観・輝きを持ったブランドであることも示してるそうな。
他にはない美しいものを生み出すという、デザイナーの強い想いが伝わってくるロゴマーク。

そんな彼女を追った今作品は、監督でもあり女優のサディ・フロストが誘う。
イギリスのファッションデザイナー、メアリー・クワントを追ったドキュメンタリー作品。
大胆で躍動的なデザインとパイオニア精神で知られるクワントは、1960年代の解放的なファッションと結びつき、フィットした50年代のスタイルを捨て展開。
フロストの生き生きとした今作品は、アーカイブ映像、トーキングヘッド、そして俳優カミラ・ラザフォードがクアントに扮するドラマ化されたシーンで彼女の歩みをたどる。
ラザフォードをテレビのインタビューのように撮影するのではなく、フロストと撮影監督のジョン・ブレザートンはほとんどファッション撮影のように、彼女の目や仕草にズームインし、台詞は必ずしも同期していない。
クアントが現在91歳であることを考えれば、彼女が直接参加しないのは当然やけど、キンクス、マンフレッド・マン、フローレンス+ザ・マシーンなどのパンチの効いたサウンドトラックに乗せて、彼女の言葉のバージョンがアーカイブ写真や映像に使われている。
フロストはまた、モデルのケイト・モスやザ・フーのピート・タウンシェンドなど、音声のみのインタビュー相手にも独創的なビジュアルを採用していました。
今作品はタイトル通りファッションドキュメントであり、また、人物描写でもある。
デザイナーの人柄が垣間見える。
幸せで比較的気ままな子供時代を過ごした彼女は、若い頃の自由を求め、当時の大人服に窮屈さを感じていた。
彼女はまた、自分の顔の形に何が似合うかを生得的に感じ取り、過去の堅苦しさを捨て去ろうとする急成長中の若者文化を理解していた。
そのような文化は、彼女が学んだゴールドスミス・カレッジで特に広まっていた。
クアントはまた、彼女のキャリアの鍵となるロマンスも持っていた。
後に夫となるアレクサンダー・プランケット・グリーンは、ロンドンのキングス・ロードに彼女のデザインを扱うブティックをオープンさせるために投資した。
寄稿者たちは2人の関係について多くを語っており、それがこの映画に親しみやすさと、時に遊び心を与えている。
また、女性の解放に重点が置かれ、よりリラックスしたファッションがその一翼を担ったという主張もある。
キンクスのデイヴ・デイヴィスが、ミニスカートは怪しげな理由で男がデザインしたものだと理論化したことで、わずかに損なわれてしまったんだなぁこれが。
ファッション史に関する興味深い洞察は、デザイナーのザンドラ・ローズやジャスパー・コンランから得られている。
象徴的なデザイナーであるヴィヴィアン・ウエストウッドは、宣伝通りインタビューに答えてはいるが、それはほんの短いもので、彼女は野外抗議活動でファストファッションについてコメントしているところを撮影されていました。
これは映画の他の部分とは少し矛盾しているように感じられるが、心のこもったあとがきの一部を成している。
被写体に対するフロストの情熱が光り、フロスト・フレンチというレーベルを共同で立ち上げた彼女は、並外れたファッション・アイコンの物語を語るのにふさわしいと感じた。
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