フクロウ

カムイのうたのフクロウのレビュー・感想・評価

カムイのうた(2023年製作の映画)
4.0
かつて明治日本に実在した知里幸恵さん(19歳で亡くなった)をモデルにした、アイヌ民族を描く映画。明治日本のアイヌ民族への露骨な差別(「くさい」「土人学校へ行け」からはじまり果ては強制労働、墓荒らしから殺害までetc)がそのまま描かれており、『キラーズオブザフラワームーン』がただちに想起された。菅原浩志監督の「アイヌの映画を撮る」と言う申し出に、多くの事務所やプロダクションが協力を拒否。他方でアイヌの人々も「和人のお前に何がわかるか!」と協力を拒否。そこからの船出だったということで、完成させてくれただけで感謝である。アイヌ民族のことを私も含めた日本人はまだまだ知らない。それが自民党の国会議員の開き直った「アイヌは存在しない」というような差別発言やその拡散に繋がっている。アイヌの口承を書記し出版し後世に残してくれたことに感謝したい。ちなみに知里幸恵『アイヌ神謡集』は岩波文庫で買える。
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