ジョー

イチケイのカラスのジョーのレビュー・感想・評価

イチケイのカラス(2023年製作の映画)
3.6
 法律は社会の約束。でもすべて果たされるわけじゃない。
 裁判官(竹之内豊)が新人弁護士(黒木華)にささやく言葉が、本作の肝かもしれない。
 正義をふりかざして裁判に勝訴する。そんな黒木の理想を軽くいなす言葉。
 法律は万能じゃない。民法第何条で解決するものではない。
 さりとて三現主義と言われるものに呪縛されると、法律はいかにようにも変容する。
 どこかで折り合いをつけなければならない。
 六法全書はただの参考書、ということかもしれない。
 世の中には隠蔽体質がはびこる。人間というものが防衛本能の産物である限り。
 法廷の裏で葛藤する弁護士。
 そこが結構丁寧に描かれている秀作。
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