うべどうろ

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のうべどうろのレビュー・感想・評価

3.4
なぜだろう。
「どらえもん」や「しんちゃん」は観に行くけれど、
「コナン」や「ワンピース」を観に行く気にはならない。

久しぶりに哲学を持った「ドラえもん映画」だった。
一人でいる恐怖、友情とはなにか、私たちは何を目指すのか。
問いかけられていることばかり。
しかも、どことなく気持ちが悪い。
純粋なハッピーエンドでもないし、善悪が混交する感じもあった。

誰が正しく、誰が悪いのか。
それはきっと、関係性の中で決まるのだ。
救ってくれる、認めてくれる、側にいてくれる人がいる。
それこそが、きっと“パーフェクト”なのだと教えてくれる。

ただ、ところどころ、かなり足元がおぼついていない。
今の時代、あそこまで「のび太はダメなやつ」と主張するリスク。
少し心配になる。
散々と「友達が大切だ」と言っておきながら、
「大義のため」と銃で撃ち抜けるアンビバレンスな姿勢。
もちろん、この“銃で撃つ”という行為が変わっていくという魅力的な演出ではあるのだけれど。

でも、この作品をもし子供と見たら、
きっとその日はたくさんのことを話すと思う。

それだけでも、とてもとてもいい映画ではないか。
うべどうろ

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