初めてのディストピア入門セット！
毎年お決まりのドラえもん映画！
今回の舞台は「ユートピア」！
理想郷の楽園に行くという始まりは単純にワクワクさせられる。この時の導入が、多少強引な始まり方なので違和感があったが、ちゃんと伏線が回収されるあたり脚本がちゃんとしているのがグッド！
問題は空に浮かぶユートピア世界。ここがそこまで理想国家というほどに見えないのが問題。もちろん視覚的に、理想郷を描写するのは難しいのは当たり前なのだがもう少し頑張って欲しかった。規模感がだいぶ小さく感じてしまうのは、ちょっと勿体無い。
ただ今回のテーマである「スーパー小学生になりたい」というのは面白い。字面だけ見ると可笑しみがあるが、言っている事としては完璧な人間になるにはどうすれば良いか？ という哲学的な問いなので、テーマにかなり真面目に向き合っている。
その答えの行き着く先、管理社会と思想統制だという恐怖描写も子供向けではあるが頑張っていたように思う。
演出が荒い部分もあるが、重要なセリフはのび太がちゃんと考えて出した答えでもあったし、自身の弱点を個性として表現する展開は説得力があった。
ラストのロボットだからできるオチ含め、初めてのディストピアものとしては、かなり良くできている印象だった。
