鈴峰らんか

ひみつのなっちゃん。の鈴峰らんかのレビュー・感想・評価

ひみつのなっちゃん。(2023年製作の映画)
2.7
バージン(滝藤賢一)、モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)の三人は突然死んでしまった伝説のドラァグクイーン・なっちゃん(カンニング竹山)の葬儀のため東京から岐阜県へ旅することに。彼女のひみつを守るため、普通のおじさんとして最後の見送りをしようとするが…。

滝藤さんの演技が素晴らしく、歩き方、目線の運び、手の使い方のどれをとっても美人の動きそのもの。女性が演じる女性よりセクシーだ。渡部さんはキュート担当、前野さんは賑やかし担当といったところ?

全体を通してストーリーがテンポよく進むとは言い難いが、前半は本田博太郎さんや東京03の豊本さんのオネエ姿をはじめ、百鬼夜行のようなドラァグクイーンたちが出てきてとても鮮やか。中盤からは打って変わって旅先で出会う優しい人たちと緑豊かな田舎町の風景。さらに滝藤さんたち3人の超イケてる喪服姿も拝めちゃう…と見ていて楽しい。

だからなのか、セクシュアリティを扱う作品にしては男女どちらの問題も表面的になぞっただけのように見えてしまった。トラックの運ちゃん(岩永洋昭)やスーパーの店員(永田薫)らの旅先で出会う人たちも、まるでアニメのキャラクターのよう。
最も、あまり真剣に深入りしないからこそ作品を通してカラッとした爽やかさがある。大々的な感動作にしなかったのが狙いだとしたら、ちょうどいい落としどころだったかもしれない。
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