おかちゃん

ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インドのおかちゃんのレビュー・感想・評価

3.2
日々、業務に追われそれだけを処理する「虚しさ」を思い出させた。恐らく絶頂期の彼らもそうだったんだろう、何て勝手に想像した。
大まかに分けて、Musicanは演奏する(Play)と音を紡ぐ(make Music)に別れてくると思うが、彼らはどちらかと言えば後者であった。毎日同じ曲を演奏(Play)すれば、瞬間のキラめきはあっても、当然飽きるだろうし、別の刺激を求めたくなる。(このキラめきは、別バンドや別フィールドで展開されるのだが…)
おおよそ人間の創造性は、心と時間にゆとりある時、その人の感性が閃き造り出させる。彼らは幾つかの偶然と必然(例えばGeorgeのインド贔屓が他メンバーに伝播し)を伴いながら幸運にも、この機会を作る事が出来た。また、人間が青年から成年になる節目の時期だった事も幸いしているのだろう。
何れにせよ、この才能溢れる彼ら(でも、恐らくどこにでもいる普通の青年)に、このような機会を与え、我々に素晴らしい音楽を与え、今でも楽しませてくれる人間の創造性とこの社会に心感じさせる映画だった。
付け加えだが、何でも早ければ良い、何でも溢れていれば良い、という傾向が見える最近の社会には警戒を憶える。